今回は、浜松にある美容室COROLLE(コロール)の川口達史さん・川口仁美さんご夫婦にインタビューしました!
なんと、ご主人様は慶應義塾大学卒業後、短大に入り直したという異色の経歴の持ち主。目の前のお客様をおしゃれにしたい、という信念の奥様と一緒に美容室を始めて6年目。コロナ禍でもお客様に選ばれ続ける裏には、2人のずっと変わらぬ想いがありました。
プロフィールを拝見してめずらしい経歴だと思ったのですが、ご主人様は慶應義塾大学を卒業されているのですね。美容師を目指したきっかけはあったのでしょうか?
川口達史さん:改めて美容師を目指そうと決心したのは、大学4年生の就職活動がきっかけです。最初は、大学を卒業したらいい会社に入る、という考え方に流されて就職活動をしていました。でも志望動機を考えたり就職試験を受けたりする中で、自分の本意ではないと気づいたんです。
実は高校生の頃から「美容師になりたい」という想いはあったので、本心に返って美容師を目指すことにしました。
高校生のときに美容師になりたいと思っていたのですね!
川口達史さん:当時は「カリスマ美容師」ブーム真っただ中。芸能人の写真とか切り抜きを持っていって、渋谷とか代官山のおしゃれな美容室に行くのが流行っていたんです。キムタクが出演していた「ビューティフルライフ」などドラマの影響もあって、美容師とか美容室に憧れていました。
そんな中、16歳で美容室を初体験。茶髪にもなって感動したのを覚えています。そこから、お金を貯めてはおしゃれな美容室に行くのを楽しんでいましたね。自由な学校だったので怒られることは全くなかったですが、先生にも話題にされたりあだ名をつけられてしまったり(笑)
その頃から美容師への想いを秘めていて、やはり美容師を目指そうと思ったところに情熱を感じます!大学にも通った経験が今に活きていると思うことはありますか?
川口達史さん:やらないと分からないこともありますし、大学に通ったことが関係ないわけではないと思います。大学生の気持ちも分かるというのもありますね。
COROLLEのお客様は9割女性。子どもの教育について関心が高い方も多いので、話題に共通点を見つけやすいのもあるかもしれないです。また、東京で過ごしていた経歴があると、この土地が地元ではないお客様にとっても親しみやすいとか。
人間性の一つとしてどんな経歴も生きてきますね。お2人とも東京の有名店で経験を積んでいたと拝見しました。浜松で開業することにしたのは、やはり奥様の地元というのがあったのでしょうか?
川口仁美さん:子どもが産まれた後のタイミングだったので、子育てのしやすさや住みやすさ、親のことを考えて浜松にしました。でも私自身、場所にこだわりはなかったですね。
私は昔から美容師になりたくて。自分が担当したお客様を自分の力でおしゃれにしたい!という想いがありました。美容師をやっている以上、その想いは場所に関係なく実現できるはずと思っています。
場所に関わらず目の前のお客様をおしゃれにしたいという想いが伝わってきます。お客様の要望を聞きながらスタイリングを決める際、どんなところを意識されていますか?
川口仁美さん:長く通ってくださっているお客様の中には、なんとなくイメージはあるけどあとはお任せという感じの方もいます。また女性の場合、今日はすっきりしたいとか気分的な要素もありますよね。
なので、季節だったりお客様の雰囲気から考える以外にも、最初のカウンセリングで要望をくみ取るようにはしています。お客様の言葉の端々からも何か分かることもあるので、カウンセリングは重要ですね。
お子さんがいるから自分の髪に時間をかけられないという方には、ちゃんとセットをしなくてもキマる髪型を提案するとか。どんな方にも「おしゃれになるように」というのは意識しています。
カウンセリング力やどんなスタイリングも叶えるスキルはすごいですね。
川口仁美さん:東京の美容室でアシスタントをしていた2~3年間、先輩の姿を見てものすごく勉強になりました。一緒にカウンセリングに入る中で、お客様の話からどうやって要望などを汲み取るか学べたと思います。
そのときの美容室はカラーリストとスタイリストなどが分かれている分業制で、私はスタイリスト。でも、自分1人でどんなお客様もおしゃれにできるようにはなりたかったんです。その後、他の美容室でカラーの勉強もたくさんして成長させてもらいました。
何かに特化したい美容師さんもいますが、私は目の前のお客様の要望を叶えられるようにオールマイティになりたいと思っていますね。
「ここに来たらとにかくきれいに、おしゃれにしてもらえる」という安心感が感じられます!お店のブログで最近、グレイヘアについていくつか投稿されているのを拝見しました。COROLLEはグレイヘアを希望されてくるお客様が多いのでしょうか?
川口達史さん:最近推しているというわけではないですが、白髪を染めずに生かす「グレイヘア」に興味を持つお客様は増えてきたと思います。
実は、グレイヘアはだいぶ前からやり方はあって啓蒙活動もされていたんです。でも当時は「白髪=染める」というイメージが強くて、お客様には受け入れられず。有名人がやっているのを見て「そんなのも素敵!」って価値観が変わってきたように思います。
やっと一般の方にも知れ渡ってきたという感じ。ブログに載せたらそれに興味を持って、「グレイヘアって何?」とお客様から興味を持ってもらうこともありますね。
COROLLEはいろいろなお客様に親しまれているのですね。コロナ禍において、何か変化などはありましたか?
川口達史さん:ありがたいことに、実はコロナ禍でもお客様の利用は減っていないんです。リピートしてくださっているお客様が多い美容室だからというのもあるかもしれませんが。
自粛生活が続く中、いわゆるコロナ疲れや自粛疲れのお客様も多いのではないでしょうか。そういった疲れを癒やしたい方、シャンプーやマッサージを楽しみしている方、1人の自分時間がほしい方などいろいろいらっしゃると思います。
多くの美容室では利用が減っているのではと思っていました!そんな中でもお客様が来てくださる理由は何でしょうか?
川口達史さん:コロナ禍で美容室は二極化しているとは思います。カットやカラーがうまいことだけでは、お客様に選ばれ続けないはずですよね。
もちろん技術ありきですが、髪をきれいにしてもらうことを通じて、お客様の心身を癒やしたり大切なひと時を過ごしてもらったり。お客様の想いに応えられるサロンになっているかだと思います。
たしかに、美容室に行くのは技術力の高さだけではなく、癒やしや特別感、気分転換を求めて行くことがあります。
川口達史さん:例えば、美容室であまりしゃべりたくない、1人時間を楽しみたいという方もいます。実際、しゃべりすぎを好まないお客様は多いようです(笑)お客様によってどんな想いがあるのかは、空気を読んで応えるようにしていますね。
その反面、コロナ禍で不安を共有したり話したりして気分転換したい方もいらっしゃると思います。特に家にこもっている時間が多い方は、何かを共有したい、つながって安心したいというのもありますよね。コロナ禍でどう過ごしてる?とか、ワクチンの話とか、おすすめのお店の話とか世間話をすることも多いです。
美容室は髪を切るだけじゃなくて、いわば居場所のような役割も。そういう意味でも、コロナ禍で来店していただける理由があるのかと思っています。
またここでひと時を過ごしたい、と思わせてくれる美容室だというのが伝わってきました!最後に、COROLLEと言えばどんな美容室なのでしょうか。
川口達史さん:来てくださってるお客様は、ご家族やお知り合いのご紹介が多いです。実際、「親子3世代で来られる美容室」としても親しまれていますね。おばあちゃん、お孫さん、ご夫婦で来ていただいたり。ご家族の優待利用「ファミリーパス」ができたのもその背景です。
また、開業時から「大人が安心して通えるサロン」をコンセプトにしています。それはずっと変わらないですね。お客様の美容のパートナーとして、地域の方々から愛されるように、寄り添っていきたいと思っています。
COROLLEは、ここに来たらきれいでおしゃれにしてくれる、そして癒やされるからまた行きたいと感じる美容室ですね。本日はありがとうございました!
【店舗情報】
◆COROLLE(コロール)
電話番号:053-525-6190
住所:静岡県浜松市中区佐鳴台3丁目52の28
営業時間:平日・土/9:00~20:00 日/9:00~19:00
定休日:毎週月曜日・第1・3日曜日・祝祭日
HP:https://corolle-hair.shopinfo.jp/