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【知りたい!】~前編~『納豆』について管理栄養士の先生に聞いてみた◎

執筆者

管理栄養士 大屋佳奈 (おおや かな)

給食管理の仕事を主軸に特定保健指導やレシピ開発、国家試験対策についての情報発信、学生相談、料理教室アシスタント、コラム執筆など多岐にわたり活動中。また、イラストレーター・動画クリエイターとしても活動の幅を広げている。

長引くコロナ禍の中、世間では免疫機能を高めるための様々な健康法や健康に良いとされる食材が話題に上がりました。

その中で、皆さんは『納豆』が話題に上がったことをご存知でしょうか?

新型コロナウィルスが流行し始めた当初は、納豆が直接コロナウィルスに対して有効だとするエビデンスはなかったのですが、免疫機能を高める食材として各地のスーパーで納豆が売り切れとなることもあったようです。

免疫機能を高めるだけではなく、健康食材としての納豆の需要はコロナが流行する以前からありました。

日本人の私たちにとってなじみのある食材の納豆ですが、納豆には豊富な栄養成分含まれており、その中でも近年『ポリアミン』という栄養成分に注目が高まっています。

今回はそんな納豆の魅力について、また、あまり聞きなれない栄養成分である『ポリアミン』についてお話したいと思います!

納豆ってどんな食材?

まず初めに、皆さんは納豆が何からどうやって作られているかご存知でしょうか?
納豆の原料は『大豆』なんですよ!私は小さい頃、納豆は納豆という名前の豆からできているんだと思っておりました…!

では、どうすると大豆からあのねばねばした納豆に変身するのでしょうか?

納豆は納豆菌という微生物によって作られます。
納豆菌が大豆の成分を栄養として増えていく際、大豆の成分を分解したり、それを違うものと合成することによって納豆の味やねばりが出て大豆は納豆になります。

この過程を『発酵』と言い、納豆は発酵食品の一つなのです。

納豆菌は藁(わら)に住んでいる微生物です。

納豆はその昔、余ってしまった煮豆を藁に包んで保存していたところ、発酵して糸をひくようになっており食べてみるとおいしかったのが納豆となったという説など、調べると面白い説が様々ありますが、大豆と藁に住む納豆菌が出会ったことこそが納豆の起源なのです。

ちなみに、あの納豆特有のネバネバは納豆菌が大豆のたんぱく質を分解してできたグルタミン酸と、糖の一種であるフルクタンという物質からできています。

グルタミン酸は昆布やトマト、チーズなどにも含まれている『うま味』を出すもとになる栄養成分です。グルタミン酸には脳の機能を活性化する効果や利尿効果などがあり、筋肉や免疫力を強化してくれるたんぱく質を構成する働きを持つため、人間の生命維持に大切な役割をしています。また脳の興奮を鎮めてリラックス効果が期待される栄養成分GABA(ギャバ)を生成する働きもあります。

フラクタンという物質には味はありませんが、ネバネバを安定させる役目をもっています。

納豆の栄養

納豆の原材料や、納豆がどのようにして誕生したのかを知って頂けたところで、続いて納豆にはどんな栄養成分が含まれているのかについて詳しくお話したいと思います!

納豆は、糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素をバランスよく含む食品で、1日1パックが摂取量の目安となっております。

ここからは納豆に含まれる栄養成分で特にピックアップしたいものを順番に見ていきましょう!

ビタミンK・カルシウム

ビタミンKには、私たちが怪我をして出血した際に血を固める作用を活性化する働きなどがあり、正常に出血を抑えるためには欠かせない栄養素です。

また、体内でのカルシウム代謝にも関わっており、日本では骨がスカスカになってしまう骨粗鬆症という疾患の治療に使われたりもしています。

骨や歯の形成に関わるカルシウムそのものも納豆には豊富に含まれています。

カルシウムはイライラを抑える効果もあるので、最近ストレスでイライラしがちだなという方におススメです。

ナットウキナーゼ・カリウム・マグネシウム

ナットウキナーゼは納豆に含まれる酵素たんぱく質の一種です。

血栓予防作用があることがわかっています。ナットウキナーゼには血栓予防作用の他にも血圧を下げる効果や血流を改善する効果などなども確認されており、納豆は生活習慣病の予防にも効果的であるといえます。

同じく血圧を下げる効果のあるカリウムや、エネルギー代謝を助けて動脈硬化予防に効果のあるマグネシウムも豊富に含まれています。血圧が気になる方におススメの栄養成分達です。

イソフラボン

大豆に多く含まれる栄養成分で、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。女性ホルモンの分泌が低下したときには、女性ホルモンの代替物質として働きます。

また、納豆菌によって大豆が発酵することでイソフラボンの分子表面についている糖の鎖が切れてアグリコン型イソフラボンという物質に変わります。

このアグリコン型イソフラボンは私たちの身体の中での吸収率がとても良いことが特徴です。月経困難症更年期障害などに悩む方の強い味方になる栄養成分です。

鉄分

納豆には鉄分も豊富に含まれています。鉄分は血液を作るうえで欠かせない栄養成分です。立ち眩み貧血めまいなどでお悩みの方におススメの栄養成分です。

ビタミンB₆・ビタミンB₂

ビタミンB群であるビタミンB₆・ビタミンB₂を豊富に含み、身体の免疫機能を健全に保つ効果があります。

いかがでしょうか?ここまで見てきただけでも納豆には体に良いとされる栄養成分がいくつも含まれていることがわかりますね。

ここでもう一つだけ、納豆に含まれていて近年注目を集めている『ポリアミン』という栄養成分についてお話したいと思います!

注目の栄養成分『ポリアミン』

冒頭でも少し触れましたが、皆さんはポリアミンという栄養成分をご存知でしょうか?
そんな栄養成分聞いたことないよ~という方がほとんどではないかと思います。

2013年に発行された科学誌『Cell』の総説に、「アンチエイジングに効果が認められる7つの生体への介入(食習慣や物質)」というトピックが掲載されその中の1つに、ポリアミンという物質が含まれていました。

ポリアミンには新陳代謝を高めたり、遺伝子に作用して体内の炎症を抑制する働きや腸内のバリア機能を守るなどのはたらきがあり、免疫機能の向上や老化防止、アンチエイジング、生活習慣病の予防に役立つと考えられています。

ひとことで言うならば『細胞の元気さを維持する』栄養成分です。

ポリアミンは体内でも合成することのできる栄養成分ですが、加齢とともに合成される量は低下してしまいます。

白子や貝類、チーズやヨーグルト、納豆などの発酵食品にはポリアミンが豊富に含まれますが、この中でも納豆に多くのポリアミンが含まれているため、納豆に多くの注目が集まっているのです。

ポリアミンについてはまだまだエビデンスが十分にないため、詳しい効果や効能については今後の研究が待たれますが、とても期待の高まる栄養成分ですね!

前編はここまで!

後編は『納豆さえ食べていれば健康??』というお話から再開させていただきますね!

後編につづく

こちらのコラムを執筆いただきました『絵を描く管理栄養士』として活動中の大屋先生についてはコチラからもご確認いただけます。

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