コラム

失敗しない家庭菜園!プランター・水耕栽培・直植えの違いとは?

家にいる機会が増えているいま、家庭菜園が注目を集めています。自分が育てた野菜を、そのまま食卓で味わうことができるのが家庭菜園の魅力。でも、芽が出なかったり、途中で枯れてしまったり、実がならなかったりと、思うように収穫できずに心が折れてしまったなんていう話も聞きます。また、家庭菜園には広い庭が必要というイメージがありますが、ベランダや日当たりのよい窓辺でも大丈夫。初めての人でも簡単に育てられる野菜がたくさんありますよ!

家庭菜園に必要なもの

家庭菜園を始めるときには、どこでどういう野菜を育てたか、を中心に考えるとよいでしょう。特に、初めて野菜を育てるという人の場合、なるべく収穫までの期間が短く、お手入れの手間も少ないものから始めるのがおすすめです。基本的に、野菜を育てるときに必要なものは「育つ場所」、「土」、「育つための道具」の3つです。最初からあれもこれもと道具を集めてしまうと、その分ハードルも上がってしまいます。まずは、最低限必要なものだけをそろえ、途中で必要になったらその都度買う、というのがスムーズかもしれません。

プランター栽培

ベランダや日当たりのよい窓辺でもできるプランター栽培は、初心者でも気軽に家庭菜園を始めることができる便利なアイテムです。広い庭があるという人も、まずはプランター栽培からはじめてみるとよいでしょう。
必要なもの

・プランター

ホームセンターなどへ行くと、いろいろな種類のプランターが売られています。育てたい野菜合せて選ぶとよいでしょう。おしゃれな木製タイプや、排水性に優れたもの、支柱が立てやすいものなどさまざまです。まずは、なるべく軽いものを選ぶとよいでしょう。プランターは土を入れると案外重くなります。日当たりの良い場所に移動させることも考えて、軽く手持ち運びがしやすいプラスチック製のものがおすすめです。

・土

肥料と土を混ぜ合わせて、いちから土を作る方法もありますが、初めてなら「野菜用培養土」を使うとよいでしょう。水はけをよくしたり、プランターの底から土が漏れてしまうのを防ぐために「鉢底石」が必要になる場合もあります。野菜用培養土には、手が汚れにくいものや鉢底石がいらないもの、特定の野菜を育てるのに特化したものなどいろいろな種類が出ていますよ。

・育てたい野菜の種or苗

家庭菜園には、種から育てる方法と、苗を買ってきて植え替える方法があります。育てる野菜によって、種からなのか、苗からなのかも変わってきます。また、いつから始めるか、どこで始めるかでも変わってきます。
たとえば、トマト(ミニトマト)やナス、ピーマンなどは、苗を買ってきて植え替える方法が一般的ですし、ラディッシュや小松菜、シュンギクなどは苗が市販されることはないので種を買ってきて植えることになるでしょう。

★プランター栽培におすすめの植物

〈種から育てる〉
種から育てる場合は、ラディッシュ(はつか大根)やバジルなどがおすすめ。大きく育てるためのプランターに直接種を植えて育てることができます。本葉が2~3枚出てきたら間引いてやると大きく育ちます。間引いた本葉はサラダに入れるなどして食べることができますよ。
〈苗から育てる〉
苗から育てる野菜として有名なのは、ミニトマトやきゅうり、ピーマンでしょう。特にミニトマトは、これを育てたくて家庭菜園を始めた、という人もいるくらい人気の野菜です。人気がある割には虫がつきやすく、脇芽を取ったり支柱を立てたりと手間のかかるミニトマトですが、育てたいという人も多いため、初心者向けのグッズも多く販売されています。プランターや苗、専用肥料や培養土などがセットになっているものもありますよ。

水耕栽培

水耕栽培とは、土を使わずに、水と液体肥料で野菜などを育てること。土を使わないので虫がつきにくいこと、小ぶりのものなら部屋の中でも育てることができるため、ベランダがなくても始められるという魅力があります。
最近は、LEDライト付きの水耕栽培キットも売られています。また、室内で育てるものは植え付けの季節を選ばないで済むというメリットもあります。
必要なもの

・水耕栽培用プランター

タッパーやペットボトルで代用することもできます。500mlのペットボトルを上から1/3くらいのところで切り、ひっくり返してはめ込めば完成です。

・根腐れ防止剤

ホームセンターなどで売っています。なくても育ちますが、水耕栽培ではどうしても根が腐りがちです。ゼオライトやミリオンAといった根腐れ防止剤を水と一緒に入れておいてやることで不純物を取り除き、根腐れしにくくしてくれます。ただし、永遠に効果が続くわけではないので、半年くらいで入れ替えてくださいね。

・液体肥料

液体状のものから粒状のものを水につけて培養液を作るものなど、いろいろな種類がありますが、まずは薄めずに使える水耕栽培用の液体肥料を選ぶとよいでしょう。米のとぎ汁などを使う方法もありますが、腐りやすくなってしまうのでまずは市販の液体肥料を使うことをお勧めします。

・水

水耕栽培に欠かせないのが水です。水は、根の下1/3くらいまで入れるようにしてください。根が全部水につかってしまうと呼吸ができなくなり、枯れてしまいます。また、夏場は腐りやすくなるため、毎日水替えをしたほうがよいでしょう。冬場は乾燥するため水が減りやすくなります。2日に1度は水替えをしてください。

・日光

水耕栽培でも光は必要です。LEDライトの下に置いておくという方法もありますし、窓辺や明るい日陰でも大丈夫。ただし、直射日光が当たる場所は避けてくださいね。植物の根は日光に弱いこと、水が温まりすぎて不純物が発生しやすくなってしまいます。

・水耕栽培におすすめの植物

水耕栽培では、葉物やハーブ類が簡単に育てられるのでお勧めです。栽培期間が短いものが多いので、気軽に始められます。スポンジに1センチほどの切り込みを入れ、そのなかに種をいれたらタッパーやトレイなどに移して1/3ほどが浸るように水を入れます。明るい日陰などに置いて毎日水を交換すると発芽しますので、少し育って本葉が開いたら、スポンジごと苗を切り取り、水耕栽培容器に移して育てましょう。水耕栽培容器に移すまでは液体肥料などを入れず、水だけで育てることがポイントです。
バジルやルッコラ、シソなどのハーブ類がお勧めですよ。トマトなども作ることができます。
また、リボベジといわれる再生栽培もおすすめ。スーパーで買ってきたカイワレ大根や豆苗など、切った根っこの部分を水につけておくとまた伸びてきます。2~3回は収穫することができますよ。

直植え

本格的な家庭菜園を楽しみたいならやはり直植えでしょう。プランターや水耕栽培に比べると、土を作ったり、日当りを確保したり、雑草対策をしたりと手間はかかりますが、そのぶん育てることができる野菜の種類も多いため、成功した時の喜びもひとしおです。
土壌改良などは知識や道具も必要です。また、連作障害を起こさないようにするため、毎年土を入れ替えたり、育てる植物を変えたりする必要もあります。手間がかかるのでプロに相談したり、一部は業者に依頼してしまうという方法もありますよ。
必要なもの

・くわやスコップ、ふるい、ブルーシートなど

まず、家庭菜園として使いたい地面をくわやスコップを使って30センチほど掘り起こしふるいにかけてゴミなどを取り除きます。このとき、掘った土をぎゅっと握って、粘土質なのか砂質なのかチェックしておくとよいでしょう。]

・土や腐葉土

掘った土に腐葉土やたい肥を混ぜて、水はけがよく、植物が育ちやすい状態に改良しましょう。ぎゅっと握ったときに一瞬固まってすぐにぽろっと崩れる程度なら、水はけもよく植物が育ちやすい状態です。

・苦土石灰と元肥

日本の土地は多くが酸性土壌です。酸性が強いと植物が育ちにくくなるため、苦土石灰を混ぜpHを調節する必要があります。土の状態がよくなったら、元肥を入れて微生物の動きを活発にしてやりましょう。

・苗や種

直植えでも種から育てることはできますが、時間がかかることや鳥や小動物などに掘り返されて食べられてしまうリスクを考えると、苗を買ってきて植えたほうがよいものもあります。植える時期や広さなどによって、好みの植物を選んでください。

★直植えにおすすめの植物

直植えの魅力は、ダイナミックな収穫にあるといってもよいでしょう。特に根菜類は、土の中に実った植物をざくざくと掘り起こす楽しみもあります。ジャガイモやサツマイモ、玉ねぎなどは育てやすく、頻繁に水やりをしなくてもよいためとくにおすすめ。プランターで育てるより収穫量も増えますよ。ただし、労働力も増えるので、家族全員で協力しながら行うなど、工夫も必要です。

成功しても失敗しても楽しい!


これまで「家庭菜園はハードルが高い」「失敗したら大変だし」と感じていた人も多いのではないでしょうか。確かに物事は最初が肝心です。一度うまくいけば自信もつきますし、次のステップアップにもつながります。特に、葉物やハーブなどは育てる期間が短いため、すぐにリトライできるというメリットもあります。
初めての人でも取り組みやすい方法や育てやすい野菜を選んで、まずは家庭菜園の楽しさを知ってください。自分で育てた野菜はおいしさもまた格別ですよ。

-コラム

© 2024 ビュートウェルスタイル Beautwell Style