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色だけじゃない!「ピーマン」と「パプリカ」の違いとは?

パプリカとピーマン

様々なジャンルの料理に、いろどりとして活躍する「ピーマン」と「パプリカ」。色が違うだけの同じ野菜にも見えますが、どんな違いがあるか知っていますか?

今回は、知っているようで知らない「ピーマン」と「パプリカ」の違いについて解説をしていきます。

「ピーマン」と「パプリカ」の違い

ピーマンとパプリカは、同じナス科の「辛みのないトウガラシ」の一種です。トウガラシのうち2つの品種「しし群」と「ベル群」のものを「ピーマン」と呼びます。

パプリカは、ピーマンの中で「ベル群」に分類されるもののうち、大型で肉厚の品種の呼称です。

私たちはピーマンを、未熟な緑色のうちに収穫して食べていますが、パプリカの場合は、木になったものを収穫せずおいておくことで、熟させて黄色や赤に変化させています。

ちなみに、ピーマンを細くしたような形の「ししとう」も、同じ仲間となります。

見た目や味の違い

ピーマンは、パプリカに比べると実が小さめで、皮は薄め。丸みのあるものもあれば、細長く、下部がすぼまっているものなど様々です。

苦味と青臭さが特徴で、濃い緑色をしていますが、収穫せずにおいておくと、熟して赤パプリカのように赤くなる場合もあります。

パプリカはピーマンに比べると丸みがあり、大型で肉厚。
ピーマンのような苦味はなく、あっさりとした甘みが特徴です。青臭さが少なくマイルドな風味なので、ピーマンが苦手なお子さんでも、パプリカなら食べられる場合があります。

パプリカの色といえば、よく見かける黄色やオレンジ、赤のイメージですが、これだけでなく、紫、白、黒、茶など様々な色のパプリカが存在しています。

栄養価の違い

ピーマンとパプリカは、ビタミン、カロテン、食物繊維などを豊富に含む、栄養価の高い野菜です。私たちが「ビタミン」と聞いて思い浮かべるレモンと比べても、ビタミンCやカロテンの含有量は多めとなっています。

さらに、ビタミン類は緑の状態よりも熟した方が増えると言われ、実際にピーマンよりパプリカの方が、各種ビタミン類の含有量が多い傾向にあります(ビタミン類の中で「パントテン酸」は赤・黄パプリカより緑のピーマンの方が多いというような例外も存在します)。

・緑ピーマン(果実、生 100gあたり) ビタミンC: 76mg/βーカロテン当量: 400μg
・赤パプリカ(果実、生 100gあたり) ビタミンC:170mg/βーカロテン当量:1100μg
・レモン(果汁 100gあたり) ビタミンC:50mg/βーカロテン当量:6μg

文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表2015年版(七訂)) 第2章 日本食品標準成分表
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm

パプリカの色素は、黄色はカロテノイド、赤色はカプサンチン、紫はアントシアニンと、色によって違う抗酸化物質によるもの。抗酸化作用により体内の活性酸素を抑え、肌のくすみを防ぐなどの美容効果が期待できます。

なお、ピーマンはトウガラシの仲間ですが、辛み成分のカプサイシンはほとんど含まれていません。

「ピーマン」と「パプリカ」の良い点と活用法

それでは「ピーマン」と「パプリカ」それぞれの良い点と、調理する際の活用法をみていきましょう。

「ピーマン」の良い点と活用法

一般的に「熱に弱い」と言われるビタミンCですが、組織がしっかりしているピーマンは、加熱してもビタミンが損なわれにくいというメリットがあります。そのため、熱をしっかり通す炒め物や揚げ物に最適。

さらに、油脂とともに摂ることでカロテンの吸収がよくなるので、特に油を使った料理がおすすめです。

「パプリカ」の良い点と活用法

ピーマンと違って苦味がなく生でも食べやすいので、サラダやマリネなどの生食にも活用しやすい点が、パプリカの大きなメリットです。

パプリカもピーマン同様、加熱によるビタミンの損失はほとんどないと言われていますが、クタッとならない程度に軽く炒めて、肉厚のパプリカならではの歯ごたえを楽しむのもおすすめです。

単色でもいろどりのポイントになりますが、赤と黄色など、複数の色を組み合わせると、より色鮮やかな食卓になります。

まとめ

親しみのある野菜「ピーマン」と「パプリカ」。優れた栄養だけでなく、鮮やかな色で目に楽しいところも魅力。

「もっと料理をしたいけど、野菜の下ごしらえが面倒」という方は多いかもしれませんが、ピーマンとパプリカは、皮をむく必要がない手軽さもありがたいポイントです。

使いやすさを活かして、ますます活用していきたいですね。

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