薬味として使用されることの多いネギ。スーパーで通年購入することができるネギには、たくさんの栄養素が含まれています。太くて白い部分の多いネギを「根深ネギ」、細くて青い部分の多いネギを「葉ネギ」と言います。
「根深ネギ」と「葉ネギ」では、同じネギでも栄養価に数倍〜数十倍の差があるのをご存じでしょうか?より効率よく栄養を摂るためには「葉ネギ」を食事に取り入れることをおすすめします!
今回は「根深ネギ」と「葉ネギ」の栄養価の違いと、期待できる栄養効果をご紹介します。
根深ネギと葉ネギの違いは?
まずは「根深ネギ」と「葉ネギ」の違いを知っていきましょう。どちらも一年を通して購入することができるネギですが、旬は12月から2月になります。
根深ネギの特徴
主に白い部分を食べる「根深ネギ」は関東で好まれており、白ネギや長ネギ、太ネギとも呼ばれます。根深ネギの白い部分にはビタミンCが豊富に含まれていますよ。
葉ネギの特徴
緑色の部分が大半を占める「葉ネギ」は関西で好まれており、青ネギや細ネギと呼ばれています。葉ネギの青い部分にはカロテン、カルシウム、ビタミンKなどが豊富に含まれています。
栽培方法の違い
「根深ネギ」の白い部分は、土寄せして直射日光を遮断する事で育てています。「葉ネギ」は土寄せしないで育てる事で青い部分が多く、柔らかいのが特徴的です。
根深ネギと葉ネギの栄養価の違い
根深ネギと葉ネギの100グラムあたりの栄養価の差は以下の通りです。
根深ネギ(生)
葉ネギ(生)
エネルギー(kcal)
35
29
カリウム(㎎)
200
260
カルシウム(㎎)
36
80
ビタミンC(㎎)
14
32
β-カロテン(μℊ)
82
1500
カリウムは1.3倍
カルシウムは約2.2倍
ビタミンCは約2.3倍
β-カロテンは18倍以上
根深ネギと葉ネギの栄養価を比べてみると、「葉ネギ」の方が優れた栄養が含まれていることが分かります。身体の免疫機能を正常に保ったり、視力の維持やガンの予防に効果を発揮するβ-カロテン。根深ネギと葉ネギではなんと18倍以上も栄養価に差がありました!
ネギに含まれる栄養の効果は?
カリウムは血圧を下げる効果がある
ミネラルの一種である「カリウム」は塩分の摂り過ぎを調節する上で重要な役割があります。
浸透圧の調整やナトリウム(塩分)の排出を促す作用があり、身体の調子を整えてくれるカリウム。野菜や果物、肉や魚など、さまざまな食品に含まれており、ネギからも摂取することができますよ。
カルシウムは骨や歯の形成や血液凝固促進作用がある
「カルシウム」は身体の中でもっとも多いミネラルの一種。骨や歯のもとになるのはもちろん、筋肉の収縮や精神を安定させるための働きも担っています。ほかにも血液凝固促進作用や抗アレルギー作用など、生活する上で必要不可欠な働きがありますよ。
ビタミンCは美肌効果や免疫力を高める効果がある
「ビタミンC」は抗酸化作用と美肌効果を兼ね備えた栄養素の一つ。ストレスを和らげる効果やシミを予防してハリのある肌を作る効果も期待できます。
ビタミンCは水溶性の栄養素なので、水に長時間さらすと栄養が流れ出てしまいます。栄養をあますところなく摂取するには、煮物やスープなど、汁ごと食べる調理方法でネギを取り入れてみましょう。
β-カロテンは視力の維持やガンの予防に効果がある
ネギの青い部分に豊富に含まれるβ-カロテンを摂取するには「葉ネギ」を食事に取り入れるのがおすすめ。視力の維持やガンの予防をはじめ、抗酸化作用も期待できます。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換されるため、皮膚や粘膜の健康維持にも効果を発揮しますよ。β-カロテンを効率よく摂取するには、油脂と一緒に調理することで吸収率が高まります。オイル系のドレッシングでサラダにして食べたり、炒め物にするのがおすすめですよ。
まとめ
今回は「根深ネギ」と「葉ネギ」の栄養価の違いと、期待できる栄養効果をご紹介しました。視力の維持やガンの予防にも効果を発揮するβ-カロテンを摂取するには「葉ネギ」を食事に取り入れるのがおすすめです。
「根深ネギ」との栄養価の差は18倍以上もありますよ。また、調理方法をかえることで栄養を逃すことなく摂り入れることができるので、工夫していきたいですね。