スーパーに行くと隣同士に並ぶ「有塩バター」と「無塩バター」。
お料理に使うのは有塩バターで、お菓子作りには無塩バター、というイメージがある方も多いのではないでしょうか。
お菓子作りに有塩バターはだめなの?と疑問をいだいている方もきっと多いはず。
今回は知っているようでじつはよく知らない「有塩バター」と「無塩バター」の、それぞれの特性の違いについて解説します!
まずはバターについてお勉強!
普段なんとなく使っているバターですが、誕生したのは紀元前3500年頃と言われていて、実はもっとも古い歴史のある乳製品なんです。
日本では明治時代に製造が始まり、いまではわたし達の生活には欠かせない存在に。そんなバターですが、乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)では、“生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの”として定められています。
また成分に関しては、“水分17.0%以下で乳脂肪分80.0%以上含んだもの”と規定されています。
マーガリンとはどう違うの?
一見するとよく似ているこの2つの製品ですが、最大の違いはその主成分です。バターの主成分は、牛乳の脂肪成分である乳脂肪。そのため香り高くコクがあり、素材の味に深みをもたらしてくれます。
一方マーガリンの主成分は、コーン油・大豆油・菜種油などの植物油脂です。使用する油脂によって風味や成分などその特性が変わるので、ニーズに合わせて対応することができます。
では、「有塩バター」と「無塩バター」の違いとは?
有塩バターとは?
その名の通り「食塩」が含まれているバターのこと。別名「加塩バター」とも言われています。製造過程で食塩が加えられており、その量は100gあたり平均約1.5g。小さじであらわすと、約1/3の量となります。
食塩が含まれている分、無塩バターよりも約1か月ほど長持ちするのが特徴です。
カロリーは100gあたり745Kcalほど。
無塩バターとは?
「食塩」がほぼ含まれていないバターのこと。じつは無塩とは言っても、原料である「生乳」に微量の塩分が含まれているため、ほぼゼロには近いですが、完全に無塩とは言えないのです。
一般的には「無塩バター」と呼ばれていますが、厚生労働省の定める栄養表示基準によると正式名称は「食塩不使用バター」とされています。日持ちしづらく、賞味期限は短めです。カロリーは100gあたり763Kcalほどで、有塩バターと大きな差はありません。
それぞれの最適な使い道は?
無塩バター
やはりお菓子作りが一番無塩バターを活かすことができる使い方ではないでしょうか。
お菓子作りには大量のバターを使用するため、有塩バターでは塩分過多となったり風味に影響を及ぼすことも…。
また塩は、小麦粉に水分を加えた際に発生するグルテンという粘り気のある成分に強く作用するため、食感に変化を与えたり膨らみが悪くなるという影響をもたらすおそれもあります。
そのためお菓子作りには、無塩バターを使うことが推奨されているのです。
もし、お菓子を作りたいのに無塩バターが家になかった、という時は有塩バターで代用するのではなくオリーブオイルなどの油で代用するのがベスト!
また、無塩バターを有塩バターの代わりとして使用する際には、バター10gに対し約0.15gの食塩を加えることで代用可能です◎
有塩バター
有塩バターには塩が入っているので調味料の代わりにもなり、様々な活用方法ができます。
毎日の食卓に並ぶお料理にも、有塩バターは大活躍!
特に、味に深みや甘み、コクを出したいときは有塩バターを使うことをおすすめします。
淡白な白身魚や、脂身の少ないお肉とは相性抜群です◎パスタに絡めて使うことも多いですよね。
トーストやじゃがいものホイル焼きなど、シンプルに素材の味を楽しみたいときも有塩バターを使うことで、そのほんのりとした塩気が更にうまみを引き出してくれます。
まとめ
今回は有塩バターと無塩バターの違いについて解説しました。
それぞれの特性を理解し使用することで、料理のおいしさもきっとアップします♪
最近では個性的なバターも数多く登場し、スーパーなど身近な場所でも手に入りやすくなっていますので、ぜひ色々なバターを味わってみてくださいね!