今回は美容師としてご活躍されながら、ご自身も初代ヘアケアマイスター認定されている服部さんにお話を伺いました!お客さんの髪が痛んでいた場合、「ひどいですね。髪がご臨終なられてます」とはっきり伝えるという服部さん。どうしてそんなことを言うのか?その秘密に迫りました。
まずは自己紹介とご経歴を教えてください。
静岡市清水区で『フライアウェイ』というお店の代表をしています。2022年の5月でオープンしてから6年目になりますね。
僕はこれまで清水や静岡界隈のお店を転々としてきてきました。10店舗ぐらいです。最後にたどり着いたお店では10年ほど勤めました。そこでは初代ヘアケアマスターに認定させてもらいましたね。今はその知識や培ってきたものを活かしながらお店を一人で経営しています。
10店舗渡り歩いたというのはかなりの転職回数だと思うのですが(笑)。何があったのか詳しく説明していただけませんか?
高校を卒業してすぐに美容室で働き始め、18歳から25歳までの7年間で10店舗ぐらい勤めました。最短で辞めたお店は1週間ぐらい(笑)。長かったところで1年。あとは半年、3カ月とかですね。お店のスタイルが肌に合わないことが多くて、続かなかったんだと思います。
最初に教わった師匠が、凄く腕のいい技術者だったんです。作り上げるヘアスタイルがかっこよかったんです。でも、その人が病気になってしまい、お店を辞めざるを得なくなり、辞める際に「いろんなスタッフがいるところで揉まれてきなさい」ぐらいのことを言われて、お店を転々とするようになりました。ただ、その師匠さんのカット技術に勝るお店がなかったので、どこのお店でも長く続きませんでした。
自分の中にある正解(師匠)を追い求めて何店舗も渡り歩いていたんですね。つまり、他のお店では得られる技術面に納得がいかなかったのでしょうか?
そうなんです。ちなみに私自身、かなりの遅刻魔でもありました(笑)。
(笑)もともと遅刻体質だったのか、それともモチベーションが低くて遅刻しがちだったのかどちらでしょうか?
もともと遅刻体質だったと思います(笑)。僕、結構ノロマなんです。マイペースというか、のんびり屋というか(笑)。自分でも客観視しています。そこにガッカリ感が上乗せされて遅刻癖がついたんだと思います(笑)。
もしも師匠が病気をせずお元気でしたら、ずっとそのお店で働き続けたと思いますか?
その可能性はあります。ただ、当時の師匠のお店は高齢のお客様が多い、おばあちゃん美容院だったんです。もしかしたら勤めていくうちに僕自身が刺激を感じられなくなったかもしれません。そのうちどこかへ旅立っていた可能性もあります。
その旅立つという点が、お店の名前『フライアウェイ』につながる気がしますが。お店の名前の由来はそういった服部さんの人生を表しているのでしょうか?
名前の由来についてですが、僕が小学校6年生の時に卒業記念で作ったコップがあるのですが、「Let's flyaway」と書かれています。この言葉を考えてくれたのが26年前に他界した兄で、書いてくれたのが母です。
なので、自宅でヘアサロン(※)をやるのであれば『フライアウェイ』にしようと思ってました。どんな意味の言葉なのか調べたら「飛び去るの他に髪がなびく・髪が揺れる」という意味があるとわかったんです。これにちなんで店名を『フライアウェイ』にしようと思いました。ここは実家で家族も住んでいるので、家族で出したお店という思いを残したかったんです。
※服部さんのヘアサロン「フライアウェイ」はご実家を改装して作られたお店
とても素敵なエピソードです。まさにご家族全員で作られたお店ですね。
そうですね。元宮大工の父が内装を手掛けていて、会計士をやっているもう一人の兄が会計を手伝ってくれているので、家族全員がこのお店の何かしらに関わっていますね。
ご実家は美容室に改装できる間取りだったのでしょうか?
うちの父がこの家を建て直すときに、兄弟の誰かがいつか商売をやるかもしれないと考えて、物置部屋にしておいたんです。僕は17歳でした。この場所をうちの父が取っておいてくれていたから、僕が美容室を辞めて独立するときにここを使おうと思いました。
独立されて美容師として働くうえで重要視されているところは何ですか?
僕は異色な美容師だと思うんですけど、お客さんとの会話であまり気を使わないようにしているんです。思ったことを正直に話します。
そうすることで、お客さんも素直に答えてくれるんです。遠慮してごまかさないで、お客さんが持っている素材(髪の毛)のコンディションを見極めて、徹底的に向き合うことを心がけています。
お客さんと会話しているというよりも、髪の毛と会話している感じですね。
なるほど。例えば、枝毛が凄いお客さんに対してもマイルドな表現で指摘をせず、事実としてストレートに指摘されるんですね。
そうですね。「(髪が)ご臨終になられてます」とかはっきり言います(笑)。あまりにもひどいときには「ひどいですね、髪をもっと大事にしてください」と伝えます。どうしてハッキリお伝えするかというと、お客さんのご機嫌を伺って、遠慮して発言すると何も伝わらないと考えるからです。
僕の場合は、はっきり言うことによってしっかりした技術提供ができると思っています。全てにおいてごまかしのないスタンスでいたいですね。
自分のなかで「今日はうまくいかなかったな」と納得できなかったときには、そのことを正直にお客さんにお伝えして、後日再来店してもらうこともあります。
勿論、無償で施術をします。
頂いている料金で提供できるサービスとしては十分な施術をされているかと思いますが、それ以上に美容師の拘りとして提供したい金額以上のサービスがあるんですね。確かにそういったプラスアルファのサービスをされる美容師さんは聞いたことありませんね。そもそも、髪を切った美容師さん本人から、今日のカットについてフィードバックがくること自体が珍しいと思います。たいていの場合、施術が終わったら鏡で後頭部を映されて「どうですか~」って聞かれるのがほとんどですので
自分の中での頑固さというか、プロだったら最後までしっかりやり貫くという気持ちが働くみたいなんです。そういう気持ちがふつふつと湧き上がるんです。
お話しをうかがっていてもわかりますが、服部様はとても純粋な方だお見受けしました。現在、サプリメントやインナービューティの方にも意識が向いているのも純粋な気持ちからなんですか?
この店は僕ひとりでやっているので、僕が倒れたら閉店なんですよね(笑)。
なので、健康とかコンディションを整えることに関しては常に意識しています。いいコンディションであってこそ、お客さんにいい技術を提供できると思うので。
不健康だと、不健康を気にしながらの仕事になって、全力を尽くしきれなくなる場合が出てくると思うんですね。人数をこなせなくなるとか。
30歳を超えたぐらいから意識するようになりましたね。昔の僕は凄く軟弱で体力もなかったんです。20代半ばぐらいのときに、このまま30歳になったら死ぬなと思い、25歳から水泳をやり始めました。最初は犬かきぐらいしかできなかったけど、今は1800mとか泳げるようになりました。体力づくりは大事だと思っています。
サプリメントも30代になってから飲み始めました。30歳ならそうでもないのですが、35歳ぐらいになると自分の体の何かが変わってくるんです。
35歳になられたタイミングで、どういう違和感が体に表れるようになりましたか?
お酒が次の日に残りやすくなったとか、うまく眠れなくなり、その影響で日中眠くなるというのがあります。カフェインを飲む時間帯によっては眠れなくなるようにもなりました。
水泳やサプリメントを生活に取り入れ、インナービューティに気を使うことで、そのような違和感を改善できたんですか?
そうですね、割と健やかに眠れるようになりました。
人生や体に対して純粋で正直な服部様のお話しは、信憑性が高くて説得力がありますね。
体感するのが一番早いじゃないですか。日頃から何でも経験して吸収するのがいいのかなと思っています。
■FLYAWAY(フライアウェイ)
住所:〒424-0045 静岡県 静岡市清水区 東大曲町3-2
営業時間:09:00~18:00
定休日:月曜日、第3日曜日
企業ホームページ:https://www.big-advance.site/s/124/1590