執筆者
管理栄養士 大屋佳奈 (おおや かな)
給食管理の仕事を主軸に特定保健指導やレシピ開発、国家試験対策についての情報発信、学生相談、料理教室アシスタント、コラム執筆など多岐にわたり活動中。また、イラストレーター・動画クリエイターとしても活動の幅を広げている。
腸活で髪や頭皮のお悩みを解消しよう!
腸内環境は髪の毛や頭皮とも密接な関係があります。
髪の毛の成長や髪の健康を守るためには必要な栄養素を食事から十分にとることも重要です。しかし、その栄養を吸収する臓器である腸内環境が乱れてしまうと、栄養素を吸収するスピードや効率がガクッと落ちてしまいます。そのため、ツヤやハリといった髪の毛の健康をキープするのに必要な栄養素が吸収されにくくなってしまいます。栄養が届かないことで痩せてしまった髪の毛は、抜けやすく、ボリュームもなくなってしまい、抜け毛の増加や薄毛の進行につながってしまうのです。
また、お通じが滞り便秘が起こってしまうと、本来身体の外に出るはずだった老廃物が常に腸に停滞していることになります。停滞している老廃物は腸から吸収されてしまい、再び血液に溶け込んで身体の中を循環することでフケやかゆみなどの頭皮トラブルの原因となってしまうのです。頭皮のトラブルにつながるということは、同じ皮膚である顔など全身の皮膚にも同じことが言えるので、乾燥肌やニキビといった肌トラブルの原因ともなってしまいます。
腸内環境を整えることは髪の毛や頭皮のトラブルだけでなく、肌トラブルの解決にもなるのです。
実は発酵食品!?『酢』で簡単腸活!
ここからは腸活を行ううえでぜひ取り入れて頂きたいおすすめ食品を紹介します。
そのおすすめ食品とは「酢」です。「酢」/お酢は調味料としてだけでなく、最近は飲む商品が出るなど健康に良い食品として注目が集まっています。
誰もが知るお酢ですが、発酵食品であることを皆さんはご存知でしょうか??お酢とは米や小麦、果物など糖分を持つ原料を一度「酒」にして、「酢酸菌」で発酵させたものです。
お酢は世界中で作られており、それぞれの土地柄にあった農産物を原料に作っているため多くの種類が存在します。
代表的な例としては、
・穀物酢、米酢
日本などのアジア地域が中心で、米や小麦などの穀物を原料として作る
・果実酢(リンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ酢など)
欧米地域が中心で、リンゴやブドウなどの果物を原料として作る
などがあります。
酢の腸活効果
腸内の悪玉菌を減らし善玉菌を増やす
お酢の抗菌作用は有名ですよね。その作用が腸内の悪玉菌を減らしてくれます。
更に、お酢に含まれるグルコン酸が善玉菌を増やしてくれるエサになるのです。
便秘改善
お酢には胃酸の分泌を促す作用があり、胃酸やお酢の成分そのものが胃や腸を刺激し、消化された食べ物や便を先へ送り出すためのぜん動運動を活発にすると言われております。
お酢を使ったドレッシングと食物繊維が取れる野菜サラダを一緒に食べることで便秘改善効果を高めることができます。
抗菌作用や便秘解消効果以外にもお酢には様々な効果があると言われています。
代表的なものとして
・高血圧予防
・食欲増進
・内臓脂肪の減少
・血中脂質低下
・疲労回復
・がん抑制効果
などが挙げられます。
このような健康効果を得るためには1日当たり大さじ1杯(15ml)程度を継続して摂取すると良いとされています。
お酢はそのままでは酸っぱすぎて飲めません。炭酸水やお湯に混ぜて飲んだり料理の調味料として使用したり、後から追加でかけたりなどして摂取するようにしましょう。また、お酢は酸性の食品のため、寝る前など歯磨きをした後に飲むと歯に負担がかかってしまうので避けましょう。
炭酸水などで薄めなくても飲めるお酢ドリンクには注意をしなくてはなりません。原材料名の欄に「果汁」「果糖ぶどう糖液糖」「はちみつ」の文字が入っているものはそのままでも飲みやすいように糖質が添加されているジュースです。お酢は身体に良いからと、このように薄めずに飲めるタイプのものを飲み過ぎてしまうと血糖値を高めてしまい肥満や糖尿病のリスクとなってしまいます。
お酢を正しく摂取することでお酢の健康効果を最大限に発揮させることができます。
お酢には穀物酢や果実酢など様々な種類がありますが、作用に大きな違いはないためお好みのお酢を取り入れてほしいなと思います。私はりんご酢と黒酢が好きなので、休肝日のお酒の代わりに炭酸水に大さじ1杯のお酢を混ぜて食事の時に飲んだり、玉ねぎやミニトマトなど好きな野菜をお酢に漬け込んでピクルスを作ったりしています。
最後にお酢を使ったレシピをいくつか紹介するのでぜひ普段の食生活の中にお酢を取り入れてみて下さい!
おすすめ腸活お酢レシピ
鶏とキノコのコクうま照り焼き
黒酢を使うことでコクが出て照り焼きがさらに美味しくなります。
また、キノコには腸活に欠かせない食物繊維が豊富に含まれているのでお酢と組み合わせることで効果がアップします。
材料(2人前)
・鶏モモ 1枚(300g程)
・しめじ 1/4パック
・まいたけ 1/2パック
・シイタケ 2本
・サラダ油 大さじ1
・黒酢 大さじ1と1/2
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1
・醤油 大さじ1
・粗びき黒コショウ 小さじ1/2
作り方
①鶏モモは一口大に切る
②シイタケは軸を取り、かさの部分は5mm幅に薄く切り、軸は硬い石づき部分のみを切り落としてかさと同じように縦に薄く切る
③しめじは石づきを切り落として手でほぐす、マイタケも手でほぐしておく。
④フライパンに油を敷き、中火にかけて鶏モモを焼いていく。
⑤肉に焼き目がついたらシイタケ、しめじ、マイタケを入れてさらに炒める。
⑥黒酢、みりん、酒、醤油を加え、ふたをして弱火で5分ほど蒸し煮にする。
⑦肉とキノコを取り出し、煮汁に粗びき黒コショウを加えて一度煮立たせる。
⑧器に肉とキノコを盛り、煮汁を上からかけて完成。
切り干し大根の酢漬け
切り干し大根には腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維と、便のかさを増やしたり腸壁を刺激してくれる不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれている腸活に打って付けの食材です。お酢でさっぱりした味付けなので箸休めに置いておきたい一品です。
米酢がない場合は穀物酢でも代用可能です。
材料(2人前)
切り干し大根 30g
にんじん 1/3本
めんつゆ(2倍濃縮) 大さじ3
米酢 大さじ1
いりごま 適量
作り方
①切り干し大根は水でもみ洗いをしてから15分~20分程水に漬けて戻す。
戻したらしっかり絞って水気を取る
②ニンジンは千切りにする
③ボウルに切り干し大根、ニンジン、めんつゆ、米酢を入れてしっかり混ぜ合わせて漬け込む。
④味がなじんだら皿に盛りお好みでいりごまをかけて完成。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今年の冬は例年より寒く感じる日が多く、出かけるときも歩ける距離でもつい車で移動してしまったり、家にいる時も温かい部屋でじっとしてしまう時間が長く運動不足気味になってしまったりする方が多かった印象を受けました。
少しずつ気候も温かくなり、外に出かけるのが気持ちの良い季節になってきたので、腸を動かすためにも時間に余裕のある日は積極的に外に出てウォーキングをするのもいいですね。
今回紹介した腸活習慣やお酢をぜひ生活に取り入れてもらって、腸の内側から心も髪もお肌も健康になっちゃいましょう!
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