今回は、東京都大田区の西洋髪結OOREの総店長、三枝さんにインタビューしました!
ヘアサロンコンテストで数々の賞とトロフィーを獲得している三枝さん。その圧倒的な技術と知識量にはインタビュー中にも驚愕。40周年を迎えた西洋髪結のノウハウとは?また、美容師が出来る唯一の身体の内側からできるケアとは?様々なことを教えてもらいました。
――三枝さんの経歴を拝見していて驚いたのですが。この、数々のヘアスタイルコンテストの輝かしいご経歴について、お話を聞きたいです!まずいろんな部門があるんですね。パーマ部門で何度もトロフィーを受賞されており、カット部門で優勝されているのを拝見しました。
はい。髪にしてもカットだったりパーマだったり様々な部門があります。うちは全スタッフが出ているのですが、私も入社して2年目からずっと出させて頂いています。優勝したのはその時が初めてです。
美容学校にいた頃からコンテストに出るのは好きで、カット部門優勝の前にパーマトロフィーがあったと思うのですが、そのパーマが僕の原点というかパーマはずっと得意だったんです。
美容学校で最初に習うのがパーマの授業なのですが、それが根本となる技術なんです。それがすごい好きで、大会があると聞いて「それに出たいなー」とパーマの競技はワインディングを20分のうちに何回巻くことができるか?という内容なんです。
コンテスト出れるようになって賞とかもらえると自分の価値になって、楽しくなってきました。普通、会社に入ると仕事の関係でコンテストに出づらくなると思いますが、うちの会社はコンテスト出場に積極的だったので、この会社を選びました。
――西洋髪結ってコンテストに力を入れているとは聞いていましたが、三枝さんにとってもそれが選択の理由の1つだったとは思いませんでした。競いながら自分を高めることが好きなようですが、それまでもスポーツなどはされてたんですか。
スポーツは結構好きで、中学のころは陸上部、高校のころはバレーボールだったんです。ただ芽はでなかったんです、でも美容学校に入ると芽がでて、首席で卒業しましたね。好きなことだから頑張れた。
――おお!すごいです!向いていたんですね。
そうかもしれません。母親が「美容師向いてるんじゃない?」って言ってくれて、それをきっかけに入ったんです。
――どうしてお母さまはその才能に気付いていたのでしょうか?幼少期から器用だったとかでしょうか?
なんか幼少期から折り紙ばっかり折ってたらしんです(笑)初恋のひとがいたら、折り紙を自作してプレゼントするみたい(笑)しかも恥ずかしがりやだったので、お母さんからプレゼントしてーみたいな(笑)
――(笑)その幼少期の工作が三枝さんルーツなんですね。
だと思います。ずっとやりたい仕事がぼやーとしてたんです。やりたいことがいっぱいあって。まず子供が好きなんです、あと歌手にもなりたかったんです。だから母親から「美容師は?」と言われても最初はピンとこなかったのですが、結果的には合っていました。母親の奨めがキッカケでしたね。
あとうちのエリアだと地域密着型なので、子供の髪を切ることもできて、触れ合いもあるので環境的に恵まれていますね。
――駅前だとお客さんが流動的なのでなかなか深く接することもできませんね。
はい。駅前だとお子さんお断りの美容室もあります。あと美容師って冠婚葬祭全てに関われるんです。着付けもメイク、ヘアー、成人式、七五三、それが全部できるのに(少ししか関われないのは)もったいない。
うちでは冠婚葬祭に圧倒的に力を入れているので、お客さんのライフステージに合わせてそれぞれのイベントで関わらせて頂いているので、お子さんが結婚するときにも旦那さんを相談してくれたり、お子さんができたら切らせてもらえたりする、そのひとの人生に全て関われるそれが地域密着の良さだと思いますね。
もちろん、美容師を目指した頃はいろんなお客さんを相手にして、雑誌とかに乗るのがカッコいいなとおもっていたのですが、でもいざ仕事を始めると、どれだけお客さんを大事にできるかだと思うようになりました。
自分の技術がどれだけ通用するか試すという意味でコンテストに出ている面もありますね。正宗流という、それを自分は受け継いでいるので、それが世間に通用したら面白いとおもったんですね。それは次の世代に受け継ぐときにも、正しいってことの証明にもなると思うんですね。
――客観的に証明できるということなんですね。コンテストで勝つための技術と、お客様に満足してもらえるサービスの技術の一致度合いはどれぐらいだと感じていますか?
ほぼ、一緒ですね。コンテストはどれだけサロンスタイルを誇示できたかなんです。ある程度は審査員の目に止まるように派手なことをやることはあるのですが、でも全体のバランスは崩しちゃいけません。それはお客様のサービスでも同様です。
あと、うちの場合はWEBにも広告を打っていないのですが、それは私たちにとってはお客様がキレイ&カッコよくなることが最高の広告だと考えているからです。それは入社当初からの教えです。
街に歩いている素敵な髪型の方が「え?それってどこのサロンでやってもらったの?」という口コミから広まっていく。そこからの集客、それが昔からずっと続いています。
コンテストに出る時は1か月間、徹底的に技術を磨くので、自分の技術を磨く機会にもなりますね。
――三枝さんはパーマトロフィーも数多く獲られており、技術としては、髪にダメージを与えないパーマが得意とのことでしたがそこにも繋がりますか?
そうですね。お客様の髪の状態も春夏秋冬で変わってきます。そこはひたすら日々の研究の成果ですね。そしてそれを意識するようになったのもコンテストがキッカケです。コンテスト当日でのモデルさんの髪の状態によってはパーマが掛かりにくいこともあるので、その状態を見極めて最適なパーマをしていくことが求められますので。
――西洋髪結さんは社内での技術の継承もしっかりしており、カリキュラムによる育成もしっかりされている印象ですが、ヘアスタイルは流行によって奇抜なモノも出てきます。その辺りには対応可能なのでしょうか?
実際、うちの考え方だと髪型としておかしい、と思うようなヘアスタイルが流行することもあります。しかし、それがトレンドで、お客様が求めているものであれば流行についていきます。たとえば女性の髪形で、成人式の時にするようなヘアスタイルの1つとして髪を前から後ろにまとめて最後に結ぶスタイル。正面から見たら丸坊主のようで、横からはポニーテール。うちの考え方からするとおかしいんです。
でもあのスタイルをやるにしても“結ぶ“という工程があるのですが、その“結ぶ“に関して、うちはどこにも負けません。ただ、自分だったら「もっとこうした方が良い」というアドバイスはすると思いますね。
――技術だけでなく、美容や健康にこだわった商材にも力を入れているのでしょうか。
健康志向の商材について、うちはめちゃめちゃ拘ってます。“美と健康“というのがうちのテーマでもあるので。他の美容室に置いていないモノもあります。以前は酵素を置いていたりとか、ドライフルーツのドリンクなどのヘルシーな食べ物も置いています。このドライフルーツティーはヘッドスパの際に提供していたりもします。
※お店で提供している、ドライフルーツティー
最近はヘッドスパに力を入れていて、気持ちも肌も髪も全て繋がっているという考え方でやっています。私たちはお客様の髪の毛、頭皮をみたら、その方の状態がひと目でわかるんです。
――髪の毛を見たら分かるんですね。
少し荒れているとか、むくんできてるとか髪の毛の状態にその方の生活習慣が全て出ますね。うちはヘッドスパをするための資格を社内で取得するんです。その資格を得るための勉強でかなりの知識を携えるんです。
――え!ヘッドスパにも資格があるんですか?
普通はありません。いまやヘッドスパは誰でもできることといいますか、頭皮のマッサージということでは誰でもヘッドスパだと言えちゃうんです。でも本来はエステシモさんが作った正しいやり方がベストなんです。マッサージしたあとにこういう過ごし方をしてくださいってお伝えできてやっとヘッドスパなんです。
――そうなんですね。え!たとえばどんなストレスを抱えていたら頭皮にどんな症状がでるのか教えてもらっていいですか?
たとえば皆さん秋の頭皮がいちばん荒れてるんです。それは夏に浴びた直射日光による紫外線による影響です。実生活の影響が頭皮には3か月後に現れるんです。
――えーー!そうだったんですね。
でも昨年の場合、新型コロナの影響で外出が減っていて、頭皮の荒れは皆さん全くありませんでした。しかし、その代わり室内でのデスクワークが増えているので、眼が疲れていて、頭皮からこめかみ辺りまでの筋肉がガチガチになっていました。一発でわかります。「今年はそういう年かー」って、ヘッドスパをしながら感じましたね。
なので大体、ヘッドスパでマッサージをすると皆さん「視界が開けた」って仰るんです。最近はスマホの影響で目が疲れてらっしゃるので。
――そのマッサージって、自分で自宅でもできるんですか?
できます!やって欲しいです!まず目が疲れている時の対応として、お風呂で湯船につかっているときに掌で頭のサイドをぐりぐり動かして下さい。回数や時間は気にしなくて良いので、それだけでもかなり楽になります。
――そうなんですね。私も自分で勉強してマッサージしてみます。本日はありがとうございました!この短時間のインタビューでも次から次へとノウハウが出てくるあたり、本当に技術力と知識に長けているんだと実感できました。
ありがとうございました。ヘッドスパって、美容室で出来ることの中で唯一、身体の免疫力を上げられるんです。それはヘッドスパが血流をよくすることが出来るからです。
――なるほど、カットやパーマは外側の美に対するアプローチですが、ヘッドスパは身体の内側にアプローチできる方法なんですね。
そうなんです!うちはスムージーもありますし、寒い時期だと靴下もありますし、湯たんぽもあります。足は第二の心臓ともいわれていますし。内側からの健康に関しては強いですね。
【店舗情報】
◆西洋髪結OORE
電話番号:03-3772-5601
住所:東京都大田区中央4-1-1
営業時間:9:00~19:00
http://seiyoukamiyui.jp/salon/oore/