コラム

「ヴィーガン」と「ベジタリアン」の違いとは?

ここ最近「ヴィーガン (vegan) 」というワードをよく耳にしますよね。若い女性の支持を集めるモデルさんやインフルエンサーの間でも人気の言葉です。自由が丘や六本木、代官山などでは、ヴィーガン専門のカフェや飲食店も登場しています。

ヴィーガンコスメやヴィーガンレザーなど、化粧品や財布にも使われるようになった「ヴィーガン」という言葉ですが、本来の意味を知っている人はそこまで多くはないのかもしれません。今回は、ヴィーガンという言葉の意味を紹介するだけでなく、混同されがちなベジタリアンとの違いや定義についても解説していきます。

ヴィーガンとは?

ヴィーガンとは元々はイギリスで作られた言葉なんです。1942年に動物の肉や卵、はちみつを食べないことを方針とした、とある協会の会合で提案されたのが始まりだといわれています。従来のベジタリアン主義の終わりと始まりを表した言葉として、生み出された言葉なんです。その際、短い表記にすることで浸透することを狙ったようです。

のちの1951年には、ヴィーガン主義という動物を搾取すべきではないという考えに基づく、ヴィーガン協会という団体になっていきました。

日本ヴィーガン協会:https://vegan.or.jp/

まとめ
・「ヴィーガン (vegan) 」とはイギリス発祥の言葉
・とある協会の会合で提案された
・動物を搾取しないという考え方に基づく

ベジタリアンとは何が違うのか?

ベジタリアンとは菜食主義であり、自身の健康や美容のために自身の食事に方向性を設ける考え方です。つまりヴィーガンのような「動物や植物に対して最大限に配慮する」という考え方ではなく、自身の健康を保つことが目的の根幹にあります。ヨガなどと組み合わされることが多いことから、ある種の食事制限&訓練だと捉えている方もいるかもしれません。

つまり、ヴィーガンとベジタリアンとは根本的に目的が異なっているのです。

また、ベジタリアンの方は自身は野菜しか食べなかったとしても、職業ではお肉や毛皮を扱っているということもあるので、これはヴィーガンとは違う考え方ということになります。ベジタリアンであったとしても、ヴィーガンではない、という背景にはこのような目的の違いがあるのです。さらには、ヴィーガンはイギリスで生まれた言葉ですが、ベジタリアンはラテン語なので背景も異なります。

まとめ
・ベジタリアンは菜食主義、語源はラテン語
・ベジタリアンは自身の健康&美容のために
・ヴィーガンとベジタリアンは目的が異なる

完全にヴィーガンであることは可能なのか?

ここで疑問に思うのが「果たして完全にヴィーガンである生活を送ることは不可能なのでは?」ということではないでしょうか?たしかに植物も生きています、草木や昆虫を一切傷つけずに生活を行うことは難しいです。また、栄養面においても偏りがおこり、健康を害してしまう可能性もあるでしょう。

ここで誤解してはならないのは、ヴィーガン主義というのは「個人的な理由で支障がない限り、その理念に基づいて行動する」ということなんです。これはヴィーガン協会が1951年に発表した声明であり、「ヴィーガンは完璧である必要はない」と示しているんです。つまり、ヴィーガンであることに固執しすぎて自分の生活や健康を損ねてしまうことはあってはならないようです。

あえて「完璧ではなくてもよい」という声明を出した背景には、より多くの方にヴィーガンを考え方を取り入れてもらい、より多くの動物や植物に配慮する人が増えてほしいという意図があったようです。

まとめ
・完全なヴィーガンを行う必要はない
・協会も”適度なヴィーガン”を推奨している
・より多くに広まることが重要とされている

ヴィーガンによる健康への影響は?

ヴィーガンとしての生活を続けていると、自ずと食物繊維は摂ることになりますが、一方不足してく栄養素もあります。
全体的なバランスだと、総エネルギーが不足してくる傾向にあるでしょう。カルシウム、亜鉛、脂質、タンパク質、鉄分などは不足気味になるので、かなりの量を食べないといけないようです。

また、ビタミンB12は完全に不足してしまうのですが、これは動物性食品にしか含まれないからです。ビタミンB12の不足は貧血の原因になるようなので、ヴィーガン協会の声明通り、自身の健康状態や栄養バランスと相談しつつ、日々のメニューを考えていく必要があるようです。

まとめ
・総エネルギーが不足する傾向にある
・ビタミンB12は完全に不足する
・個人的な理由とのバランスをとって続けていくことが大事

さいごに

今回は、ますます広まるヴィーガンという考え方について解説をしていきました。ひとことにヴィーガンといっても、エシカルヴィーガンやローヴィーガンなど様々な種類があります。さらには、マクロビオティックやフルータリアンなど、主義や目的も異なる分類はたくさんあるのがとても面白いですね。

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