長い歴史をもち、人々から愛され続けているあんこは、「つぶあん」と「こしあん」に大別されます。
人気を競い合う、つぶあん・こしあん戦争とよく聞きますよね。
2つの違いは見た目・食感だけだと思われがちですが、実は栄養素にも違いがあります。
また、ダイエット中の間食に向いているのはどっちだと思いますか?
では具体的に、どんな栄養素の違いがあるのかみていきましょう。
「つぶあん」と「こしあん」の栄養素
つぶあんとこしあんの原料となるあずきには、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。あずきの主な栄養素を紹介します。
食物繊維
食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整えます。その量はごぼうの約3倍。
ポリフェノール
ポリフェノールに含まれる抗酸化作用の働きで、しみやしわを防ぐ効果や、体内の老化の原因となる酸化を防ぎます。新陳代謝を良くして、血管内をきれいにする効果があり、血糖値の上昇を抑えます。
鉄分
あずきには、鉄分が豊富に含まれています。鉄分は一度に吸収することが難しいため、少量ずつ食べるといいでしょう。
サポニン
コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血液の流れをよくする働きがあります。動脈硬化や脳梗塞といった生活習慣病の予防効果があります。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えて、脂肪の蓄積を防ぐ役割があります。
ちなみに、冷凍すると細胞壁が破壊され、栄養成分が体内にスムーズに吸収されます。余ってしまったときは冷凍がオススメです。
「つぶあん」と「こしあん」の違い
つぶあんとこしあんは、あずきから出来ています。原料は同じでも、いくつかの違いがあります。その違いについて調べてみました。
作り方と食感の違い
つぶあんはあずきの皮をつけたまま加熱し、粒をなるべくつぶさないようにして、砂糖と練り合わせます。
つぶあんはあずきの皮がついているので、粒の食感を味わうことができます。主に大福や最中、どら焼きといった、あんこの存在感を活かしたお菓子に用いられることが多いです。
こしあんは布やこし器などで皮をとりのぞいていてから、砂糖と練り合わせます。
こしあんは口当たりがなめらかで、皮がないぶん、軽い食感です。水まんじゅうやおはぎ、あんまんといった優しい口どけのお菓子に用いられることが多いです。
栄養素の違い
脂質が低く、炭水化物とタンパク質が中心となっているあずきですが、「つぶあん」と「こしあん」にすると、それぞれの栄養素に違いが現れます。
あずきの皮には多くのポリフェノールが含まれています。皮をつけたまま調理する「つぶあん」には多くのポリフェノールが含まれており、つぶあんを作るときに加える砂糖と、あずきのアミノ酸が結びつくことで、抗酸化作用がさらに高まります。
あずきの皮をとりのぞき、実の部分だけにする「こしあん」は、鉄分が豊富に含まれています。これは、実の部分だけで作るため、100g単位でみると、ぎゅっと凝縮されているこしあんの方が鉄分が多いのです。貧血予防だけではなく、美肌効果も期待できます。
間食にはどっちがおすすめ?
つぶあんとこしあんは栄養価が高いことが分かりましたが、どっちが間食するのに向いているでしょうか?つぶあんとこしあんのカロリーと糖質を見ていきましょう。
つぶあん
100gあたり244kcal、糖質は48g
こしあん
100gあたり155kcal、糖質は20g
カロリーは約100kcal、糖質は約20gの差があります。カロリーはこしあんの方が低く、栄養面ではつぶあんの方が高い。そのため、あずきのポリフェノール効果が実感できる、つぶあんを間食するのをおすすめします。
あずきに含まれているポリフェノールの働きには、砂糖の吸収を防ぐ効果があります。これにより、あんこの砂糖は体に吸収されにくくなり、ほかのスイーツより太りにくいと言われています。
つぶあんとこしあんを間食するベストなタイミングは、いつ食べてもいいです。
ポリフェノールの特徴である抗酸化作用は食べてから約2時間がピーク、そして約4時間で消えてしまいます。そのため、こまめに食べることが望ましいですが、1日1度だけ食べる場合は、朝がオススメです。あずきに含まれているビタミンB1は、脳を活性化させる働きがあるからです。
まとめ
今回は「つぶあん」と「こしあん」の違いについて解説してみました。違いは見た目だけではないことが分かりました。
「つぶあん」と「こしあん」は、ほかのスイーツに比べると脂質が低く、からだにいい成分がたくさん含まれています。ダイエット中に向いていますね。
でも食べ過ぎには注意してくださいね♪