気軽につまめる食材として親しみのある「ピーナッツ」ですが、たまに「落花生」という呼ぶこともありませんか。この2つの言葉には、どんな違いがあるのでしょうか。今回は「落花生」と「ピーナッツ」の違いについて、栄養面や活用法に注目して解説していきます。
「落花生」と「ピーナッツ」の違い
落花生とピーナッツは、植物の種類としては同じものを指しますが、その呼び名は状態によって変わります。
畑になっている時や収穫後の「殻に入っている状態」を「落花生」と呼び、殻をむいて中身の豆だけになった状態を「ピーナッツ」と呼ぶのが一般的です。
なお、さらなる別名として「なんきん豆」が存在します。落花生の殻をむいただけの状態では、赤茶色の薄皮がついていますが「落花生」と「ピーナッツ」の中間とも言える、この薄皮がついた状態を「なんきん豆」と呼ぶこともあります。
ただし、薄皮がついた状態の豆を煎ったものが「煎り落花生」という商品名で売られていることもあるなど、その線引きはあいまいで、厳密な規定があるわけではありません。
「落花生」と「ピーナッツ」の栄養と活用法
これらの栄養と活用法はどんなものなのでしょうか。よく知っているつもりでも、知らないことがたくさんありそうです。
「落花生」と「ピーナッツ」の栄養
おやつ、おつまみのイメージが強い落花生(ピーナッツ)が、実は栄養価の高い食品であることは、あまり知られていません。
最も多い栄養成分は脂質で50%弱。次いで、たんぱく質が25%です。
脂質のうち脂肪酸では、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを抑えるオレイン酸と、体内で生成できない必須脂肪酸であるリノール酸が多く含まれます。
また、落花生のたんぱく質には人間の活動に必要な必須アミノ酸がすべて含まれると言われています。
ビタミンEは老化防止やがん予防に効果的、ビタミンB1は炭水化物がエネルギーに変わるのを助けたり、脳と神経の働きを正常に保ち、物忘れ防止にも役立ちます。
さらに、心臓病の予防効果があるとされるポリフェノールの一種「レスベラトロール」も含まれています。
「落花生」と「ピーナッツ」の活用法
落花生(ピーナッツ)には、実に様々な活用法があります。
日本では、殻のまま茹でたり焙煎したり、むき実を揚げて味付けした揚げピーやバタピーのようなおつまみ感覚の食べ方が最も一般的です。砂糖水で煮込んで砂糖をまぶした「甘納豆」は、落花生が豆の一種であることを思い出させてくれます。
中華料理では炒めものや煮込み料理に使ったり、エスニック料理では砕いてサラダのトッピングにしたりと、歯応えを楽しむ食べ方が多くみられます。
脂質が多いことを活かしたピーナッツバターは、砕いて油脂と混ぜることで、実は家庭で作ることも可能。塩や砂糖で好みの味付けにできるところが、手作りのメリットですね。
沖縄料理のジーマミー豆腐にはむき実をすり潰したものが使われ、大豆の豆腐と比べてモチモチとした食感が特徴です。こちらも豆乳や片栗粉もしくはくず粉があれば、一般家庭で作ることができます。
ピーナッツは、使い方によって七変化とも呼べる様々な食感を楽しめる、個性的で楽しい食材なのです。
まとめ
その名前から、ナッツのイメージがある「落花生(ピーナッツ)」ですが、実はナッツではなく「豆」の仲間。一般的な「落花生」「ピーナッツ」以外に、地域によって「地豆」「ジーマミ」「双子豆」など様々な呼び名があり、各地域で親しまれていることがわかります。
落花生の原産地は南米であり、古代インカにはすでに、ピーナッツとカカオを組み合わせて食す文化があったと伝わっています。世界中で古くから活用されてきた落花生。これからも、気軽に活用していきたいですね。