執筆者
管理栄養士 大屋佳奈 (おおや かな)
給食管理の仕事を主軸に特定保健指導やレシピ開発、国家試験対策についての情報発信、学生相談、料理教室アシスタント、コラム執筆など多岐にわたり活動中。また、イラストレーター・動画クリエイターとしても活動の幅を広げている。
こんにちは!
皆さんは『ミトコンドリア』って聞いたことありますか?
「学生の頃に理科か生物の授業で聞いた記憶があるようなないような…」
「細菌の名前だったっけ??」
そう思われる方がほとんどではないでしょうか?
はっきりとミトコンドリアが何なのか説明ができる方はなかなかいらっしゃらないかと思います。
ミトコンドリアとは…
私たちの細胞内にある器官の名称
太古の昔、ミトコンドリアは単細胞の独立した生物として生きていました。
進化の過程で他の生物の細胞内に住むこととなり、現在は独立した生物としてではなく、私たち生物の細胞を構成している『器官』という位置づけになったのです。
そしてこのミトコンドリアは、私たちが生きていくうえで欠かすことのできない大切なパートナーです。
今まであまり話題に上がらなかったミトコンドリアですが、近年このミトコンドリアが人間の《疲れ》《老い》大きく関与していることで注目が集まっていることをご存知ですか?
今回はミトコンドリアとはなにか?
なぜ疲れや老いにかかわっているのか?
といった内容についてお話させていただきます。
私たちと共に生きるミトコンドリア
ミトコンドリアは私たち人間だけでなく他の動物や植物の細胞内にも存在しています。
先ほど「太古の昔」ではミトコンドリアは独立した生物だったとお話しましたが、そんなミトコンドリアが他の生物の細胞に入ったのはいつ頃のお話なのでしょうか?
その歴史をさかのぼると、なんと今から約22億年前からミトコンドリアは私たち生物の細胞内に存在していたと言われています。
では、このミトコンドリアは私たちの細胞の中で一体何をしているのでしょうか?
実は…
ミトコンドリアが細胞内にいなければ私たちは現在のように元気に生きてはいけないのです。一体どういうことなのでしょうか?次の項目で詳しく見ていきましょう!
私たちが活動するためのエネルギーを作ってくれる
ミトコンドリアたちは、普段私たちの身体の中でいったい何をしているのか…
それは私たちが呼吸で体内に取り入れた酸素や栄養素を使って、私たちが生きるために必要な全ての『行動』に欠かせないエネルギーを作ってくれているのです。
生きるための『行動』とは
食事をしたり
走ったり
働いたり
眠ったり
…といったすべての行動を指します。
心臓や腸などの内臓を動かす時も、筋肉を動かす時も私たちはエネルギーを必要としています。
ミトコンドリアはそのエネルギーを日々私たちの身体の中で作っていてくれているのです。
つまり、私たちはミトコンドリアが体内にいてくれているからこそ、毎日元気に活動し生きていくことができています。
そんなミトコンドリアが私たちのために作ってくれているエネルギーについて、もう少し詳しくお話させて頂きます。
ミトコンドリアが作り出すエネルギー
私たちは毎日、生きていくために必要なエネルギーを作るために呼吸や食事をし、身体に必要な酸素や栄養を取り入れて体内で代謝させています。
その代謝の過程で栄養や酸素が脳や内臓、筋肉、血管など身体のあちこちにいるミトコンドリアにも届き、エネルギーを作り出しています。
エネルギーはたくさん作って貯蔵しておけるわけではありません。
例えば、スポーツを行っているときは筋肉、肺、心臓でエネルギーをたくさん使うので、細胞にいるミトコンドリアにもっとエネルギーを作るように身体が指令を出しています。
必要な時に、ミトコンドリアが必要なエネルギーを作る事ができるように日ごろからしっかりとエネルギーの材料である栄養を摂っていないと、いざという時に材料不足でエネルギーが足りなくなってしまいます。
ミトコンドリアって何匹くらい居るの?
難しいお話ばかりでは飽きてしますので、ここでひとつクイズです!
私たちの身体を作る細胞1つあたりに何匹のミトコンドリアが住んでいるでしょうか?
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正解は…
少し幅はありますが、1つの細胞に数十~数千匹と言われています!
人間の細胞の数が約37兆個といわれているので、そこから考えるとミトコンドリアは私たちの体の中に約12京(けい)個程だと言われています。
私たちの身体はもうミトコンドリアの集合体といっても過言ではないかもしれません…笑
それだけの数のミトコンドリアが日々私たちのためにエネルギーを作ってくれているなんて驚きですよね!
前編はここまで!
後編は『私たちの生活習慣とミトコンドリアはリンクしている!』というお話から再開させていただきますね!