今回は、港南台の美容室「D'Z KOUNANDAI」店長、大門さんにインタビュー!港南台駅から徒歩5分、広々とした洗練された空間を味わえる美容室です。美容の知識は当然ながら、VRゴーグルからTikTok(ティックトック)まで幅広い知識でお客さんを楽しませる!どうしてそんなに沢山のことに興味を持てるのか?そのルーツに迫ります!
◆取締役から一転。7年前に独立!
――D'Z KOUNANDAIというサロンはどれくらいされているんでしょうか?
もう7年ぐらいやっていますね。
――大門さん自身の美容師としてのキャリアは34年とのことですが、最初から独立してサロンを経営されていたのでしょうか。
いえ!ずっと勤めていたサロンがありまして、そこの取締役になりました。ただ7年前に、会社の事情で閉じることになって…そこから仲間を集めて、このサロンを始めましたね。
――企業の役員クラスからいったんリセットされて、サロンの立ち上げをされたんですね。とても波乱万丈といいますか…
そうですね。バタバタでしたが、当時のサロンにはお客さんが結構ついていたので、早く受け皿を作らないとなりませんでした。私は港南台にお客さんをもっていたので、すぐに港南台でお店を作りました。
――そのタイミングでどういうコンセプトのサロンにしようか、など考えられたのでしょうか?ディーズは「一日の出会いを大切に」というコンセプトを掲げていますが、それは前回のサロンからの引き続きの理念なのか、それとも大門さん自身の考えなのかどちらなのでしょう。
それは、私自身の考え方ですね。美容を長くやっていて、結局こちらはお客さんを迎えいれるしか無いんです。こっちからアプローチはしないんです。それがスマートかなと思っていて、入り込んでいくのはいいんだけど、お客様には選択肢があってそこで選ばれていく存在になること。
技術は当たり前だけど、それより重要なのは過ごし方ですね。お客さんとどう過ごせたかが大事、それが次来てもらえるかどうかに繋がるから、そこを勉強しましたね。お金儲けよりも、ファンを増やしていくことが最優先。お金優先にすると間違っちゃいますね。料金設定も、お客さんに「わあ安い」と言ってもらえるのが良いと思います。
――価格設定としても、とても良心的な価格ですね。これはこの地域の相場なのでしょうか?
エリアとしての相場ではありますね。最近は1000円カットとかが増えてきましたが、私たちはカットに時間や労力、技術の勉強などの投資をしているので、そこを1000円にして欲しくない気持ちはあります。ただ一方、カットで8000円というのはどうかと思うんですね。
――都内にはそういった価格設定のお店も多いですね。
はい。やっぱり地域性を見て、そこの方々に受け入れられる価格というのはあります。あと一回きりじゃなくて、継続して来てもらえるようにすることも考える。4000円って少し安いけど、気軽に来てもらえるような金額かなと思います。ただ、金額は下げ過ぎないように、それは美容師としてのプライドもありますね。
◆マダム方とYouTubeやTikTokの話題で盛り上がる!
――先程、技術はあって当たり前というお話がありましたが。カットやヘアメイクの技術以外に、どのようなことが付加価値になるのでしょうか。
情報ですね。ここって情報のやりとりの場になるですよ、地域のことだったり、世の中のことだったり、お客さんの悩みだったり。
自分が雑学を広くもっているとアドバイスできるじゃないですか、生活の中でこうすることができるよーというか。その人に入り込めるというか。その方の中に僕が存在するというか、「あっ!大門さん、こういうこと言ってたなー」とか。そしたら次に来た時に良かったよーありがとー、という話ですね。
――大門さんって美容以外のことにもアンテナが立っていて、知識が豊富なのだと感じましたが如何でしょうか。たとえば最近のバラエティ番組やゲームとかトレンドなど。
そうですね。それは大事ですね。YouTube(ユーチューブ)の話題だったり、TikTok(ティックトック)だったり。マダムの方々も最初は「そういうの私たちには無理だよー」とおっしゃるのですが、それでもいざ始められると楽しんでおられます。
また、「最近の若い人が何に興味をもっているのか知ること」が、若い方を知ることにもなります。年を取るとどうしても「膝が痛い」だとかそういう話題になるんです。でもそんな時でも、自分の若いころのそんなこと関係なかった気持ちを思い出して、そこで世の中の流れを私たちが伝えて上げるのが大事かなと思いますよね。
――そういう話題を耳にした年配の方って、最初はビックリするかもしれませんが。ぜったい楽しいですよね。体調面や健康面の話題も大切ですが、それh少しネガティブな話になりがちですし。それよりも、もっと新しい話の方が、その方の感覚も内面から若返ってくるような気がします。
はい!そうなんですよね。
――そのネガティブな話を、ポジティブな話に転換する会話術のようなものがあれば知りたいです!
健康とか若さとか、夜何時に寝てる?とか少しもっと脂質をとったら?とか、コエンザイムQ10とかの話もそうですし、年を重ねると臆病になるというか、億劫になりますよね。
それでも「一回試しにやってみたら?」と提案してみるんです、続ける続けないはその人自身だから。試してみてそこでその方が何かを感じてくれたら続くと思う。
髪にしても絶対、結果だと思うんです。変化に自分が気付けること、そうじゃないと人が食いつかないと思う。
◆最近の挑戦は「VRゴーグル」
――ヘアスタイルはビジュアルで結果が見えやすいですが、インナーケアはすぐには見た目には現れづらいです。そのような見た目に見えづらい“良さ”というのは、どう伝えるべきなのでしょうか。
私自身の体験談を話しますね。こういう変化があった!という実体験を伝えるしか無いと思う。
――なるほど!お話をお聞きしていると、このサロンを利用されるお客さんが大門さんのことをこんなにも信用するのって、大門さんがこれまでいろいろ試されて沢山の失敗と成功があるからだと思うんです。
ああ!そうかもしれません。確かにたくさんの挑戦と失敗をしてきましたね。
――とても興味があります!最近はどんなチャレンジをされましたか?
そうそう。最近、VRゴーグル買ったんだよね。あれスゴイよ。
――VRゴーグル笑。まさかのご発言です。
超リアルなんだよ。ゲームもします。子どもがいるんですけど、フォートナイトとかやってるんだけど、私もいまさらですがスプラトゥーンを楽しくてやっています。
――お子さんはおいくつなんですか
中1と小3かな
――丁度、ゲームをたくさんプレイされるご年齢ですね。
そういう時代だもん。いま手元にあるのはやるよね。勉強より楽しいし!最近はオンラインで出会いも合ったりするの楽しそうだなーと、こういう話題もお客さんにするんですけど、わたしが面白おかしく話をすると興味を持ってくれたりするんです。やっぱり日常ってあきるんだけど、非日常にいけるのって楽しかったりする。
――やっぱり大門さん自身が楽しんでいるのが伝わるからお客さんも興味をもってくれるんですね。
いつかVRで美容師さんが練習できるようになるのも可能だと思う。今でもコントローラーで動かせるし、もっと細かい動きにも対応できるようになったら凄いと思う。(手を動かすそぶりをされながら)こうやってずっとやってた笑
◆サロンは秘密の情報交換場所
――このサロンに来られる方って、大門さんと話したいという目的で来られる方も多そうですね。
そうだと思います!来るたびに新しい情報があるので、それを聞きたくて来る方もいらっしゃるかもしれません。あとメンズの方だと、恋愛の相談に来る方もいますね。
――確かに!むかし私も恋愛相談を美容師の方にしたことがあります。ああいう相談って親にもしづらいんですよね。
うんうん、こういう場だと自然といえますよね。
――距離感が丁度良いというか、話しやすいんです。
このサロンの情報って外には出ないから、ここだけの秘密の情報交換になりますね。
相談にのったら、全てを肯定もしないし否定もしない、こういう方法もあるかも!みたいな感じで相談にのりますね。自分もこれまでいろんなこと苦労してきたので、苦労してきたからいろんなことを話せる。
――これまでされてきた苦労で一番、印象に残っていることは何でしょうか?
美容って、やっぱ人なんです。常に人との関わりなんです。スタッフもそうだし、ディーラー―さんもそうだし、お客さんもそうだし。たとえばこの人とこの人をくっつけるにはどうすれば良いんだろうとか、第三者として考える。そうやって自分が関わっていかないといけない。そうするといろんなことが分かってきて、相手の懐に入って、同じ目線で話すことで、少しずついろんな話ができるようになってくる。
スタッフにせよ、お客さんにせよ、最初は「深くは入ってこないで」って気持ちにシャットアウトしている人もいるけど、その時は一旦引いて、なにかのアクションがあったりすると、そこから少しずつ入っていく。そうやって関係性を気付いていく、そんなことをずっと考えていました。
――それはいつごろのお話でしょう?
23歳ぐらいのときですね。先輩とかに理不尽なこと言われたりもしたんです。美容界って、先輩のエゴがあるんです。自分の下につけ、みたいな。
◆基礎が無いとマネをしても失敗する
――なんか伝統芸能の師匠と弟子みたいな関係ですね。
そう、それが面倒くさいところ。そして、先輩は「自分の教えること以外は学んではならない」という考えが一般的でした。でも僕自身の意見としては、美容師はもっといろんなところから技術や知識を吸収したほうが良いと思っていた。
その先輩を超えるためには、先輩よりも多くのことを身に付けないといけない。たぶん芸人さんとかでも一緒だと思うんですが、師匠を超えたいと思う。だからいろんな先輩から学んでいく。この先輩からこれを学ぼう、とか。
――そんな大門さんは、先輩以外からも沢山のことに挑戦して学んだのだと思いますが、特に衝撃を受けたものは何でしょうか?
東京のヘアディメンションのサロンのショーを見た時、衝撃を受けました。
ショーなんだけどヘアサロンの風景をそのままやっているようなパフォーマンス。うわ!これ楽しいなーと思って、僕もこんな仕事がやりたいなーって思いました。それを知ってからは周囲のスタッフにも参加してもらって、似たような楽しいやり方を試行錯誤していました。それが楽しかったですね。
もちろんそういう賑やかなパフォーマンスを好まないお客さんもいるので、賑やかな雰囲気を抑える気遣いも同時に大切にはなりますね。それはコントロールしなければなりません。
――大門さんに教えてもらえるスタッフさんはホントに幸せですし楽しそうです。また、大門さんは「自分以外からも学ぶこと」を薦めると思うのですが、今の時代だとどういった学び方を提案されますか?
いまだとSNSですね。自分もそうですが。Ticktokもそうですが、それを見るとだいたいのトレンドがわかる。昔は実際に観に行かないといけない。ただそれらを理解するだけの知識が無いといけないとも思います。
基礎となる知識や技術が無いと、真似をしても何か違っちゃうんです。
絶対につまづくと思う。プログラミングとか他の業種でもでもいいとこどりしてると絶対につまずくとおもう。面倒くさいことをコツコツやっていた人がそこは上手くいくと思う。
そういった、自分から壁に当たって、それを超えていく。その先にあるから。そういう自分から壁にぶつかっていく頭を作らないといけないですね。便利になったとは思いますが、全く楽になったとは思わないですね。
――素敵なお言葉です。どうすれば大門さんのような挑戦を絶え間なくできる美容師になれるのでしょうか。
やっぱり人だと思います。自分の上についてくれた先輩が失敗を許してくれる人だと、後輩はどんどん挑戦できるし、失敗もできる。その先輩も数々の失敗をしてきた人じゃないと駄目かもしれませんね。失敗をたくさんしてきた人にしか、失敗を許すことはできないので。
――本日はありがとうございました!いろんな情報を得られる世界になった今だからこそ、それらの情報や技術を取り入れられるよう基礎をしっかり固めるべきというお言葉。どのビジネスにおいても当てはまると感じました!常に若くて新しい感覚で挑戦し続けるスタンスもとてもカッコいいです。ありがとうございました。
【店舗情報】
◆D'Z KOUNANDAI(ディーズ コウナンダイ)
電話番号:045-831-2482
住所:神奈川県横浜市港南区港南台3-20-30
営業時間 :9:00~18:00
定休日:毎週火曜日
http://dzkounandai.com/