執筆者
管理栄養士 酒井葉子
(えいようJoin登録)
幼少期アトピー性皮膚炎に悩み、身体の内側から見直す必要性を感じ、管理栄養士を目指して進学。大学卒業後は、給食委託会社や有床クリニックで給食管理業務に携わった後、保健指導や医療機関での栄養相談に従事。現在は、保健指導に従事する傍ら、食事セミナーやコラムの執筆を行う。「楽しく美味しく食べる」をモットーに、食事を通してコンディションを上げるためのお手伝いをしていくために活動中。
気温が上がり、暑くなり始めると紫外線による肌のダメージが気になりますよね。さらに、暑さが続くことで食欲が落ちてしまったり、身体がおもだるかったり、疲れが取れないなど、身体の不調を感じることはないでしょうか。
私たちの身体は多くの細胞から出来ており、細胞にきちんと栄養がいきわたるかどうかで肌や体調のコンディションが左右されます。暑い夏も軽やかに過ごすために、日々の食事を意識してみませんか。
夏のコンディションは食事バランスが決める
暑くなると冷たい飲み物や食べ物を摂る頻度や量が増えてきますよね。そして、食欲が落ちると、素麺やうどんなどで済ませてしまうことも増えてくるのではないでしょうか。甘いものや単品メニューに偏ると、糖質が偏った食事になりがちです。実はこの積み重ねが、肌の衰えや身体のおもだるさ、疲れが取れない原因になっていることがあります。
食事の基本は主食、主菜、副菜を揃えることです。
こんな食生活は要注意!
▢ 冷たい食べ物をよく食べる
▢ 冷たい飲み物を良く飲む
▢ 甘いものが好き
▢ 外食・中食が多い
▢ 麺類や丼などの単品食べになっている
▢ 朝食を食べない
主食・主菜・副菜とは
主食:ごはん、パン、麺類など炭水化物を多く含む料理
主菜:魚、肉、卵、豆腐・納豆などの大豆製品を使った料理
副菜:野菜、海藻、きのこを使った料理
食卓の揃え方のポイント
主食1品、主菜1品、副菜1~2品を揃える
ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンB1を含む食材を使った料理を意識してみましょう。
麺類を食べるときのバランスアップ術
▢ 主菜1品追加する
・トッピングで足すのもOK
・納豆、豆腐、卵焼きなどの手軽に足せるものでもOK
▢ 副菜1~2品追加する
・トッピングに野菜を足したときは1品足せるとOK
・お浸し、和え物、酢の物など
ハリのある肌は食事が基本
肌のコンディションを整えるためには、日焼け止めや化粧水などの外側からのケアも大事ですが、内側を意識することも大切です。日々食べているものが、肌のバリア機能や抵抗力を高めることにつながります。
しっかり摂りたい栄養素は、たんぱく質です。たんぱく質は、肌の基礎となる栄養素です。たんぱく質に加えて、ビタミンCやビタミンE、ビタミンAを一緒に摂るようにしましょう。たんぱく質とビタミンCを一緒に摂ることで、コラーゲンの合成を助け、丈夫な血管や皮膚を作る手助けになります。ビタミンEは肌の新陳代謝を助け、ビタミンAは肌の抵抗力を高め、肌荒れ予防が期待できます。
必要なたんぱく質を摂るために主菜を1品、ビタミンCやビタミンE、ビタミンAを補うために副菜1~2品を揃えて食べるように心がけましょう。
ビタミンCを多く含む食材
副菜:ピーマン、ブロッコリー、パセリ、ケール、カリフラワー、豆苗、にがうり
果物:キウイ、すだち、レモン、オレンジ
飲料:玉露
ビタミンCは熱に弱いため、加熱しすぎないようにすることや生で食べる食材を使うことがおすすめです。夏は美味しい果物も多く出回るため、朝食にプラス果物を取り入れてみましょう。
ビタミンEを多く含む食材
主菜:まぐろの缶詰、いわしの缶詰、めかじき、卵
副菜:かぼちゃ、モロヘイヤ、ブロッコリー、唐辛子
種実類:アーモンド、落花生
飲料:抹茶
調味料など:オリーブ油、ひまわり油、トウモロコシ油
調理油をオリーブ油などの植物油を使う、サラダや和え物にナッツを加える、間食にナッツを食べるなど、工夫してみましょう。
ただし、オリーブ油やナッツ類はカロリーが高いため、摂り過ぎには注意が必要です。
ビタミンAを多く含む食材
副菜:にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜、パセリ、かぼちゃ、のり、海藻類
果物:ドライマンゴー、メロン
飲料:青汁
ビタミンAは油との相性がよい栄養素です。ビタミンAを多く含む食材を使用するときには、油で炒めたり、ドレッシングなどをかけたりして食べることで吸収率が高まります。
疲れない身体は食事が基本
麺類などの炭水化物に偏った食事や甘い飲み物や食べ物などが増えると糖質の摂取量が多くなります。糖質をエネルギーに変えるためにはビタミンB1が必要ですが、糖質を摂り過ぎるとビタミンB1が足りなくなり、疲労の原因につながります。疲れを溜めこまないためには、主食・主菜・副菜を揃えた食事を意識することが大切です。
ビタミンB1を多く含む食材
主食:そば、玄米ごはん、押し麦入りごはん、ライ麦パン、パスタ、オートミール など
主菜:豚肉(特にヒレ肉、もも肉)、うなぎ、鯛、鯖、あじ、卵 など
副菜:切り干し大根、ブロッコリー、アスパラガス など
ビタミンB1を多く含む食材を使う時はニンニクやニラ、ネギなどを一緒に摂ることがおすすめです。ビタミンB1は水に溶けやすい性質があるため、体内で余分に留まることが難しいビタミンです。ニンニクやニラ、ネギなどに含まれるアリシンは、ビタミンB1と結びつくことで体内での吸収率が高まり糖質の代謝に役立ちます。
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酒井 葉子
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執筆者 管理栄養士 酒井葉子 (えいようJoin登録) 幼少 ...
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