気温も高くなり、夏を思わせる日も多くなってきました。今年の夏は人混みを避けて家族でキャンプもいいですよね。とはいえ、なにを揃えたらいいかわからないという人もいるのではないでしょうか。キャンプでは、絶対に必要な道具と、家にあるもので代用できるものがあります。最初から全部揃えるのは経済的にも負担がありますし、買ったけれど結局使わなかった、なんていうこともあります。道具をそろえるとき、まずは必要最低限のアイテムを抑えておいた方がよいでしょう。
テント
キャンプに必要なものといえば、テントと寝袋(シュラフ)です。バンガローやコテージなどの宿泊施設が整っているところもありますが、本格的に楽しみたいならやはりテント泊がおすすめ。テントには3~4人用や5~6人用など利用人数が書かれていますが、これはテントの中で何人寝れますよ、という目安です。荷物までは考慮されていません。
車が近ければいいのですがテントを設営できる場所(サイト)まで離れていることも多く、毎回車とテントを往復するのは大変です。あらかじめ荷物をテント入れることを考えて家族の人数より1~2人多めのものを選ぶとよいでしょう。テントを立てるためのペグとロープ、それにハンマー。テントに付属してくるもので一応は足りますが、万が一のことを考え、交換部品が手に入るならもっていった方がよいでしょう。
もうひとつ、テントの近くにあると便利なのがタープです。雨が降ってきた時なども一時的に逃げ込むことができますし、日差し避けにもなります。ワンタッチテント等で代用することもできますよ。
シュラフ(寝袋)
寝袋には封筒型とマミー型の2種類の形状があります。マミー型はコンパクトに収納できるというメリットがありますが、手足が動かしづらく、寝ている間に暑くなっても細かな体温調節が難しいというデメリットもあります。
封筒型は中の空間が広く、寝返りも打ちやすいというメリットがあります。また、連結して大きな布団のように使えるものもあるんです。小さなお子さんなども安心して眠れますね。ただ、封筒型はどうしてもかさばってしまうというデメリットがあります。行く場所や季節によって使いやすいほうを選びましょう。
フロアマット
寝袋があっても直接地面の上に寝るのは寝心地が悪く、朝起きたら身体中が痛いなんてことにもなりかねません。テントの中にフロアマットを敷くことで地面の硬さを大幅に改善してくれます。また、山の中などは明け方になると冷え込む場合もあります。フロアマットがあれば、地面からの冷気をシャットダウンできますよ。
フロアマットは大きく分けて、ウレタンマット、エアマット、インフレーターマットの3種類があります。
ウレタンマットは100均でも取り扱っている銀マットと呼ばれるアイテムです。収納が簡単で耐久性、耐熱性も高いのですが、寝心地は好みが分かれるところです。
エアマットは空気を入れて使うアイテム。クッション性が高いのですが、空気を入れたり抜いたりするのが大変というデメリットも。また、石が当たって穴が開いてしまうなんてこともあるので注意が必要です。
インフレーターマットは、エアマットの進化系。バルブを開けるだけで自動的に空気が入るため、膨らませる手間がかかりません。また、コンパクトに収納できるところもおすすめです。ただ、好みの寝心地にするためには、自分で空気を入れる必要があります。
マットは重ねることで断熱性も上がりますし、寝心地も進化します。ひとつだけに絞らず、ウレタンマットを2枚重ねて使うという方法もありますよ。
グランドシート
グランドシートは、テントの底が汚れるのを防ぐためのアイテム。これを使うことで石や地面のでこぼこ、汚れからテントが傷つくのを防ぐことができます。また、雨が降ったときにテントの底から雨水が入るのを防ぐ効果もあります。テントを撤収するときにもわざわざひっくり返したり、乾かすなどの手間を減らすことができますよ。
チェア
キャンプの満足度をぐっと上げるアイテムがチェアです。昼寝をしたり、星を眺めたり。食事以外にも活躍する場面がたくさんあります。チェアの高さにも様々ですが、近年のおすすめはロースタイル。大人は足を延ばしてリラックスすることもできますし、子どもも足がつく高さのため、プラプラさせた足がランタンにあたって倒してしまった!なんていうトラブルも避けられます。また、背が低い分、コンパクトに収納できるというのもメリットです。
デメリットとしては、食事の時に身を乗り出さなくてはいけないので少し窮屈。立つときに力がいるため、年配の方にはきついという点が挙げられます。お子さんや同行される方の年齢、体力に合わせて選ぶとよいでしょう。
照明
キャンプ場は夕方から夜にかけて思っている以上に暗くなります。夜、トイレに行くときや、ちょっと手元を照らしたいなんて言うときにも明かりは必要になります。キャンプ用の照明は、ランタンや、懐中電灯、ヘッドライトなどさまざまなものがあります。移動用に懐中電灯やヘッドライト、テーブルの上を照らしたり、テント内部を明るくするためにはランタン等使い分けて複数用意するとよいでしょう。
ランタンには、電池や太陽光などの電気を使うものと、オイルやガスを燃料にして実際に火を燃やすものの2種類があります。火を使うランタンは雰囲気もありますし、大きなものを用意すればキャンプサイト全体を照らすこともできます。また、中の燃料を虫よけ効果のあるものにするといった工夫もできるでしょう。
ただし、テント内は火気厳禁。一酸化炭素中毒や燃え移り防止のために、必ず電気式の物を用意してください。
吊り下げて使えるものだと、広く照らすことができて便利です。
テーブル
食事をするためのテーブル…正直なところなくても何とかなってしまいます。ただ、ピクニック用シートの上に食べ物を置いておくと、つまづいてこぼしてしまったり、砂などが入ってしまったりというトラブルも。クーラーボックスで代用することもできますが、コンパクトに収納したり、簡単に組み立てられるものがひとつあると便利ですよ。
クーラーボックス
家族4人で1泊2日くらいのキャンプなら、30リットル程度の物があれば十分です。凍らせたペットボトル飲料と保冷剤を入れておけば、BBQ用の食材も傷むことなく保存することができるでしょう。大容量のクーラーボックスには、タイヤがついていて引っ張りながら移動できるものもあります。子どもでも簡単に移動できるというメリットはありますが、サイズが大きくなるのに比べ、庫内の面積は小さくなるのがデメリットです。
バーベキューグリル or 焚き火台
キャンプと言えばバーベキューですよね。最近では、手ぶらでバーベキューができるキャンプ場もありますし、そこまで凝る必要もないなら普段から使っているカセット式のガスコンロなどでも十分です。
焚き火台はその名の通り焚き火を楽しむためのアイテム。キャンプ場は直火禁止のところがほとんどなので、夜に焚き火を楽しみたいなら焚き火台が必要です。焼き網を使ってバーベキューを楽しむこともできるので、ひとつあると便利なアイテムといえるでしょう。まずは小さめの焚き火台を用意してみてはいかがでしょう。
焚き火台を使う場合は、火消し壺もあると便利です。焚き火台に直接水をかけてしまうと、灰がこびりついてドロドロになってしまううえ、傷んでしまう原因にもなります。火消し壺は、火が付いたままの炭を入れて消火するためのアイテムです。火が付いたままいれるので、しばらくはとても熱くなりますから、間違えて触らないよう気を付けてください。
着火アイテム
ライターなどを使って着火してもよいのですが、火起こしから体験したいという場合は、ファイヤースターターや火打石があるとよいでしょう。特にファイヤースターターは、マグネシウムの棒をストライカーと呼ばれる金属の板で素早く削るというもので、火打石より簡単に火花が散るためおすすめです。火花を燃えやすい木くずや麻ひもに着火させて火を起こします。子どもでも簡単に挑戦できますし、非常時にも使えるので、ひとつあると便利なアイテムです。ただし、やけどにはくれぐれも気を付けてくださいね。
調理器具
何を作るか、何をしたいかによってキャンプで使う調理器具は変わってきます。慣れてくれば、ダッチオーブンやスキレットを使いこなせるようになりますが、最初のうちは使い慣れた調理器具がおすすめです。家にあるフライパンや深めの鍋で簡単な料理を作るところから始めて見るとよいでしょう。
包丁やまな板も家にあるもので十分です。どうしても家のものは持ち出したくないという方は、家で材料を切って、下味をつけてからクーラーボックスに入れて持っていくという方法もあります。もし包丁を持っていく場合は、ケース付きのものを選びましょう。バーベキューをする場合は食材をつかむためのトングもあったほうが便利です。
もうひとつ調理器具であると便利なのが、万能ナイフとも呼ばれるマルチツール。缶詰を持ってきたのに缶切りがなかった、ちょっと枝を削りたい、そんな時に活躍します。別々に持っていくとかさばってしまいますし、必要なアイテムを入れ忘れたなんてこともありますが、マルチツールならひとつで済むのも安心できるポイントです。
食器
調理器具は家にあるもので代用できても、食器は割れ物も多いしそうはいかないという場合も多いのではないでしょうか。アウトドア用の食器は100均にもありますし、最初は割りばしに紙皿などでも大丈夫です。ただし、コップだけは蓋つきのマグカップを用意したほうがよいでしょう。シンプルなもので構いませんが、飲み残した時も保存しやすく、砂や埃が入るのを防げます。また、こぼしにくくなるというメリットもあります。普段から使えるものを選ぶのもいいですね。
応急セット
いつもと違う環境にいると、体調を崩してしまいがち。キャンプ場周辺の病院を把握したり、体温計や解熱剤等の常備薬、絆創膏や消毒薬などの応急セットは必ず用意しておきましょう。
また、キャンプ場には虫がつきものです。虫よけや虫刺されの薬は応急セットの中に常備しておくとよいでしょう。冷感ジェルシートや、湿布などもあると便利です。
夏は昼間の日差しが強いこともあるため、日焼け止め等もあるとよいでしょう。
着替え
夏は半そでで過ごしがちですが、キャンプでは虫よけや火の粉によるやけど防止のためにも長袖シャツと長ズボンを用意しましょう。コットン素材の上着などは、火の粉が飛んでも溶けて皮膚についたりしないので安全です。首周りの保護や、汗拭き、防寒にも使えるタオルを多めに持っていくのもおすすめです。枕代わりに使ったり、肌寒いときにかけたりと様々な使い方ができますよ。
忘れてはならないのが軍手です。軍手は人数分よりちょっと多めに持っていくとよいでしょう。滑り止めのついているタイプとついていないタイプの2種類あると安心です。
歯ブラシやシャンプーなどのアメニティ
キャンプ場によってはお風呂や温泉があったりもします。アメニティーが用意されている場合もありますが、準備しておいた方が安心です。手を洗うためのハンドソープやアルコールスプレーもあったほうがよいですね。トイレットペーパーも用意しておいた方が無難です。
本来の用途のほかに、油をふき取ったり、テーブルを拭いたり、便利に使うことができます。また、アメニティグッズではありませんが、食器を洗う洗剤やスポンジなども忘れずに用意しておきましょう。家で使っているものを小分けにして持って行ってもよいですし、トラベル用の物を用意するという方法もあります。
遊び道具
大人が料理をしたり、設営したりと動いている間、子どもたちが時間を持て余してしまって退屈してしまった、そんなことのないように遊び道具を持っていくとよいでしょう。広い場所があれば、ボールやフリスビー、バドミントンなどもよいですね。あまりかさばらないものが1~2個あれば十分です。
モバイルバッテリー
キャンプに行くんだから、スマートフォンなんてそんなに使わない、という人もいるかもしれません。ですが、近くのコンビニまでの道を調べたい。なんていうときに電源が切れてしまっていたら困ってしまいます。念のため、大容量のモバイルバッテリーは持っておいた方が安心です。複数台同時充電できるものや、太陽光で充電できるタイプなど様々なものがありますよ。
ビニール袋
汚れたものを入れたり、ゴミをまとめたりするのに、ビニール袋は必需品です。大容量のビニール袋なら、雨が降ってきた時にも、頭からすっぽりかぶってレインコート代わりにする…なんていう使い方もできますよ。
さいごに
初めてのキャンプは「火を起こしてバーベキューをしたい」「テントに泊まってみたい」「焚き火をしてみたい」など、具体的に目的を決めて挑んだ方が楽しめます。あれもこれもと手を出してしまうと、用意だけで疲れてしまって楽しいはずのキャンプが台無し、なんてことにもなりかねません。ひとつずつステップアップしていくのもキャンプの楽しみですよ。また、テントなど高額なものはまずはレンタルしてみるという方法もあります。自分にあった方法で自然を満喫してください。