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【知りたい!】~後編~『ファスティング(断食)』について管理栄養士の先生に聞いてみた◎

執筆者

管理栄養士 大屋佳奈 (おおや かな)

給食管理の仕事を主軸に特定保健指導やレシピ開発、国家試験対策についての情報発信、学生相談、料理教室アシスタント、コラム執筆など多岐にわたり活動中。また、イラストレーター・動画クリエイターとしても活動の幅を広げている。

超プチプチファスティング!

私がお勧めする『超プチプチファスティング』で守ることは次の6点です!

① 満腹まで食べず、腹6分目~7分目でストップ!(よく噛んで食べる事!)
カロリーを30~40%減らした食事で健康寿命が延びることが明らかとなっています。

② 朝食をしっかり食べる!(炭水化物+たんぱく質+少しの脂質)

③ 夕食は揚げ物など脂っこいものは控えめに!!

④ いつも朝ご飯を食べている時間の12時間前に夕食を食べるようにする!
オートファジーは12時間の絶食でも起きるとされています。どうしても夕食を早められない方は1食分の夕食を2回に分ける『分食』を!

⑤ 1日20分のウォーキングを!(空腹時はより効果的!)

⑥ 食事の合言葉は“まごはやさしい”

現代人が抱える一番の問題点は、1日3食しっかりお腹が満足いくまで“食べすぎている”且つ“運動不足”という点です。
皆さんは3食しっかりお腹が満足するまで食べてしまっていませんか??また、炭酸飲料やジュース、お砂糖入りのコーヒーや紅茶などを日常的に飲んでいたりしませんか?

腹8分目に医者いらず』という言葉をご存知でしょうか?
これは江戸時代から言われている言葉で、現代の食事量に合わせて言い換えると、腹8分目は大体6~7分目くらいの事です。
普段から毎食お腹が満足いくまで食べていた方が腹6~7分目で食事量をストップできれば、1日3食食べていても大体1食分断食できたくらいのカロリーは削減できます。この方法なら食事を抜かなくては!というストレスを抱えずに済み、胃腸への負担軽減だけでなくダイエット効果も十分あります。この時早食いはNGです。しっかりよく噛んで食べることで食事量を減らしても満腹感を得ることができます。

そして、次に守ってほしいのは“朝食は必ず食べる”ことです!
前回の『睡眠と栄養』についてのコラムでもお話させて頂いたので簡単に済ませますが、朝食には体内時計をリセットして体中の臓器を起こす身体の目覚まし係です。
朝食を欠食してしまうと、体内時計がずれてしまうだけでなく、1日の食事全体の量のバランスが夜に傾いてしまいます。朝食より夕食の方に比重が寄った生活は肥満になりやすいとされています。夜は良い眠りに向けて控えめな食事で胃腸を働かせすぎないように気を配ってあげてくださいね。
また、朝食を欠食することで体温が上がらず、特に女性では生理痛が酷くなってしまう可能性などもあります。朝食はしっかり食べましょう!

オートファジーは絶食だけでなく、適度な運動でも誘発させることができることがわかっています。
仕事の帰り道に一駅手前から歩いてみたり、階段をなるべく使うなど少しずつ運動量を増やせると良いですね。休日は少し長めに20分程度のウォーキングができると最適です。運動することで気持ちもスッキリしますし、睡眠の質も上がり疲労回復にもつながります。

最後に、食事の合言葉「まごわやさしい」とは、和食に使用される食材の頭文字を取って「ま」=豆類「ご」=ごま(種実類)「は(わ)」=わかめ(海藻類)「や」=野菜「さ」=魚(魚介類)「し」=しいたけ(キノコ類)「い」=芋類 のことを指しています。この7種類の食材を日々の食事にまんべんなく取り入れることで、健康的な食生活が送れると言われています。

コンビニやファーストフード店などで手軽に食べられるため、日本伝統の和食から離れて欧米系の食生活に偏っているという方も多いのではないでしょうか?
ダイエットをするのであれば、食事を抜く方法よりも日々の食事で『まごはやさしい』を意識しながら腹6~7分目を守ることで健康的な栄養バランスを取ることをお勧めします!

おすすめレシピ

ゴマ揚げの南蛮漬け

『ご』『や』『さ』『し』を取り入れた主菜のメニューです。
この主菜に豆の煮物、わかめとジャガイモのお味噌汁を加えれば『まごはやさしい』をコンプリートした献立が出来上がります。お魚は鮭以外にも鯵や鱈などに変更しても美味しいのでお勧めです。

材料(2人前)
タレ
・人参    10g程
・玉ねぎ   1/4個
・ピーマン  1個
・マイタケ  1/2パック
・サラダ油  大さじ1
○酢     大さじ3
○醤油    大さじ3
○酒     大さじ1
○本みりん  大さじ3

鮭のゴマ揚げ
・鮭    2切れ
・塩コショウ 適量
・薄力粉  大さじ3
・水    大さじ3
・白ゴマ  大さじ2
・黒ゴマ  大さじ2
・揚げ油  適量

作り方
① ○の調味料をボウルに合わせておく(酒やみりんのアルコール感が苦手な方は鍋などで一度沸騰させる)
② 野菜は全て千切りにし、マイタケは手でほぐしておく
③ フライパンに油を敷き、②を炒めてしんなりしたら①の調味料と合わせる
④ 鮭は一口大に切り、塩コショウをふる
⑤ ボウルに薄力粉と水を混ぜ、⑤を入れて絡める
⑥ ⑥にゴマをまぶして油できつね色になるまで揚げる
⑦ 揚がった鮭を③のタレと絡めたら完成

いかがでしたでしょうか?
基本的に、24時間を超えるファスティングは正しい方法で行わないと危険な場合もあるため、医師や専門家のサポートを受けながら行ってください。
また、ファスティングは成長期の子供や高齢者、持病がある方、妊娠中や授乳中の方、糖尿病など病気の治療中の方、服薬中の方には向いていません。

最近還元型コエンザイムQ10について知る機会がありました。
ミトコンドリアで働いている還元型コエンザイムQ10とオートファジーにはなにやら深いつながりがありそうな気がしています
ファスティングに挑戦する際にアミノ酸やビタミン、酵素などのサプリを活用している方もいるようですので、サプリを利用する際にはミトコンドリアで働く成分にも着目してはいかがでしょうか?

ファスティングに限らず、ダイエットも自分の生活スタイルに合っていて、ストレスなく健康で長期継続できる方法をみつけることが大切です。

私は毎日美味しいご飯を食べることが生き甲斐なので、長時間食事を断つというファスティングはどうしてもストレスになってしまって挫折してしまいました…!
今はコラムで紹介させていただいた『超プチプチファスティング』を実践中ですが、食事の内容や量、体内時計が整ったことで以前と比べてお通じの改善や日中の睡魔やだるさから解放され夜ぐっすり眠れるようになるなど、少しずつ効果が出ているのを実感しております!
過激な体重減少ではなく、少しずつ緩やかに体重も落ちてきているのでファスティングのおまけ効果でダイエットにも繋がっています。
まずは食事内容を『まごはやさしい』を意識したものに変えてみたり、腹6~7分目にしてみるなど自分のできる所から少しずつ食習慣の改善に挑戦してみて下さいね!

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ポイント

こちらのコラムを執筆いただきました『絵を描く管理栄養士』として活動中の大屋先生についてはコチラからもご確認いただけます。

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