執筆者
管理栄養士 酒井葉子
(えいようJoin登録)
幼少期アトピー性皮膚炎に悩み、身体の内側から見直す必要性を感じ、管理栄養士を目指して進学。大学卒業後は、給食委託会社や有床クリニックで給食管理業務に携わった後、保健指導や医療機関での栄養相談に従事。現在は、保健指導に従事する傍ら、食事セミナーやコラムの執筆を行う。「楽しく美味しく食べる」をモットーに、食事を通してコンディションを上げるためのお手伝いをしていくために活動中。
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執筆者 管理栄養士 酒井葉子 (えいようJoin登録) 幼少 ...
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糖質は悪者??
ここ数年、糖質制限が流行っていますが、糖質は必要ないものでしょうか。
エネルギーになる栄養素は主に糖質、たんぱく質、脂質があります。この3つのなかで最も効率よくエネルギーに変わるのが糖質です。脂質をエネルギーに変えようとするためには糖質が必要となります。さらに、糖質の一部は筋肉中に蓄えられており、筋肉を動かすためのエネルギーとして使われます。つまり、糖質は身体にとって欠かせない栄養素です。ただ、摂り過ぎや糖質に偏った食事になると身体の不調につながってしまうのです。
糖質を摂る上で意識したいポイントは、量と質です。糖質に食物繊維がセットになった状態を炭水化物と言います。食物繊維は糖質の吸収を緩やかにする働きがあるため、食物繊維が多い食材を選ぶことがベストです。
朝食でエネルギーチャージを!
暑くなると室内外の寒暖差や睡眠不足などによって自律神経が乱れてしまうことがあります。自律神経を整えるためには、睡眠をしっかりとることが大切です。朝食をとることで、14~16時間後に睡眠を誘発するホルモンの分泌が促されます。きちんと朝食を摂り、睡眠リズムを整えることが大切です。
そして、朝はエネルギー不足の時間帯です。私たちは、寝ている間も呼吸や代謝のためにエネルギーを絶えず使っています。使われたエネルギーを補給することで、集中力や体力のアップにつながります。
朝食を食べることで体調を整えることにつながります。
手軽に食べられるおすすめ朝食例
ポイントは糖質+たんぱく質の組み合わせ
▢ ごはん派の方
ごはん、焼き魚(冷奴、納豆、卵料理)、味噌汁、酢の物(和え物)
▢ パン派の方
食パン、卵料理、サラダ、野菜スープ、ヨーグルト、果物
▢ 時間や食欲がない方
果物(バナナ、キウイなど)+豆乳、牛乳、高たんぱくなヨーグルト、チーズなど
果物は糖質に加えて、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なため、朝食におすすめの食材です。
もし、朝、食欲がないという場合は、前日の夕飯を見直してみましょう。寝ている間は日中と比べて、胃腸の働きが弱くなります。高カロリーの食事や遅い時間に食事をすることで、胃もたれやお腹のハリにつながり、朝食を食べられない原因になってしまうことがあります。夕食が遅くなる時には、消化の良い食事にすることがおすすめです。
消化吸収のよい食事
おかゆ、卵雑炊、月見うどん、なべ焼きうどん
水炊き、湯豆腐、温野菜、野菜スープ など
消化の良い食材
主食:おかゆ、白いパン、うどん
主菜:白身魚、ヒレ肉、鶏肉(皮なし)、卵、豆腐
副菜:ほうれん草、だいこん、かぶ、にんじん など
酸味で食欲アップ
食欲がわかないときには、酸味を効かせましょう。
梅干しやレモン、酢は消化器官を刺激して、消化液の分泌を促します。口の中がさっぱりするだけではなく、胃もたれの予防になります。さらに、酸味のある食材にはクエン酸や酢酸が含まれます。疲労物質である乳酸をエネルギーに変える働きがあり、疲労回復が期待できます。
焼き魚や揚げ物にレモンやゆずを絞って食べるなど、さっぱりして食べやすくなります。また、サラダや酢の物を先に食べ、唾液の分泌を促してから食べ始めるのもおすすめです。
味付けを濃くして食欲アップを図ろうとすると塩分の摂り過ぎによるむくみの原因になるため、酸味で食欲アップを図るようにしましょう。
冷たいものの摂り過ぎにはご注意を
冷たい飲み物や食べ物ばかりにならないようにすることも大切です。
冷たいものばかりを飲んだり、食べたりしていると胃や腸の血管が収縮し、血液の流れが悪くなってしまうことがあります。消化機能が落ちると食欲の低下や胃もたれの原因になります。この状態が続くと、胃痛や腹痛、下痢、便秘につながってしまうことすらあります。
食欲が落ちてしまうことを防ぐためには、冷たいものはゆっくり、少しずつ摂るようにしましょう。よく噛むことで食べ物が砕かれ、細かくなることで唾液とよく混ざり、胃の負担を和らげることが期待できます。
組み合わせ方も大切です。冷たいものを食べる時には温かい飲み物を選んだり、身体を温めるしょうがなどの薬味やシナモンなどのスパイスを組み合わせたりすることもおすすめです。
身体が冷えてしまうと消化機能が落ちるだけではなく、血流の低下からむくみの原因にもなるため、冷えを予防するようにしましょう。
こまめな水分補給で代謝アップを
私たちの身体の60%前後は水分でできています。何もしない状態でも汗や尿、呼吸などによって1日2Lの水分が失われています。食事をすることでも水分は補われますが、それだけでは足りません。こまめに水分を補うことが大切です。汗をかきたくないからと言って、水分を摂ることを我慢してしまうと身体の水分が失われ、血液の流れが悪くなったり、熱を発散することができずに熱中症の原因になってしまったりします。
では、水だけを飲んでいればよいのでしょうか。汗をかく夏場は、汗と一緒に失われるミネラルを補うことが大切です。夏場の水分補給には、麦茶や黒豆茶などミネラルが豊富でノンカフェインの飲み物を選ぶようにしましょう。
まとめ
夏を軽やかに過ごすためのヒントは見つかりましたか。
食欲を落とさないことがコンディションを整えるコツです。きちんと食べて、夏もよいコンディションで乗り切りましょう。